ここから本文です

ヒポクラテスたち (1980)

監督
大森一樹
  • みたいムービー 22
  • みたログ 210

4.05 / 評価:60件

古尾谷雅人の最高出演作

  • samsplan036 さん
  • 2009年4月16日 17時20分
  • 閲覧数 1067
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

あの時代、大学の寮に入っていた私には、この映画の雰囲気がストレートに伝わってきます。こいつもいた、あいつもいた、こんな雰囲気だよな・・。医学生なのに、交通事故現場で白衣を隠して通り過ぎなければならない、この絶妙なファーストシーンが表すように数年前に城戸賞を獲得して自ら監督した「オレンジロード急行」で発揮されたシナリオの巧妙さが、この作品でも確実に生かされています。どちらかというと、構成の巧さが目立った「オレンジ~」に対して「ヒポクラテスたち」は主人公の古尾谷の心情がうまく描かれていて、映画の出来栄えとしてはこちらの方が上だと思います。ちょっと冷めた雰囲気の主人公は、冷めているのではなく、物事を非常に客観的に捉えて、その本質はどんなものなのか見据えることができる、ひるがえって自分のこととなると、今後何に関心をもち、どんな方向に進むべきなのか、・・まだ分からない。激することもなく、そのくせ子供のように無垢な心で、周りの状況を見据えている。主人公にとっては、現実そのものの事象なのに、あえて悲観的に捉えて悦に入る同僚に対して、半ば諦めたような表情で「センチメンタルやなぁ~」とつぶやくシーンは、同世代ながら憧れをもち、ことあるごとに口調を真似て独りごちしたものでした。さらに、いい映画は例外なくキャスティングがドンピシャです。次々と紹介される各医局の教授たちも、いかにもピッタリ。小児科の手塚治虫はもとより、外科の原田芳雄のエネルギッシュさを観て思わず笑ってしまいます。古尾谷とは違った意味でやはり医師の道を歩むことに疑問を持った伊藤蘭の合格発表のときの屈託の無い微笑みを思い出し、この映画を観終わったときに自分の青春と重ね合わせて、何とも懐かしい空しさと心苦しさを甦らせてくれるのです。そうだったよなぁ・・と。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • 悲しい
  • 知的
  • 切ない
  • かっこいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ