風たちの午後
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

予告編・動画

作品レビュー(3件)

切ない22.2%悲しい11.1%かっこいい11.1%不思議11.1%かわいい11.1%

  • der********

    4.0

    「誰が風を見たでしょう」

    初公開で見逃して以来、ずっと観たかった作品を、デジタルリマスター版で鑑賞。 「誰が風を見たでしょう 僕もあなたも見やしない けれど木の葉をふるわせて 風は通りぬけてゆく」 そもそも夏子と美津、2人の関係は何なのだろう? 夏子は美津に対して女性同士という「性」を越えて恋愛感情を持っている。だから美津を自分だけのものに独り占めにしたいと願っている。それに対して、美津は男とも進んでSEXをするように、女性同士という限られた「性」だけを対象にした恋愛意識は持っていない。夏子は美津の部屋を訪ねて泊まることや、いっしょに食事をしたりショッピングを楽しむことはある。だけど、「恋人」同志であることを示すような、それ以上の生々しい描写はいっさい描かれていない。 頼りなげで幼く、あどけなさが残る夏子と、都会的に洗練されていく大人びた美津は、どう見ても同い年には見えない。夏子にとっての美津、美津にとっての夏子。互いに依存しあっているような、姉妹関係にも見える二人の関係。 しかし、人が人を愛してしまうと、相手をどこまでも独占したくなるのだろう。それは男と女の関係だけでなく、例えば女と女――同性間の愛においても変わることはない。愛する美津を取り戻すために、男に自分の女友だちを紹介し、ついにはみずからの体を与えて処女を失い、子を宿してしまう夏子。不特定多数の男たちと関係を持ち、学生下宿に毛の生えたような木造安アパートから、おしゃれなモルタル造りのマンションへ引っ越した美津。美津から別れを告げられ、日銭を稼ぎながらのストーカー行為や、ゴミの中から見つけたリンゴのかけらをかじる夏子の、狂おしいまでの「愛」。その行為は悲しくせつない。 モノクロ画面の中、パステル画のような日々が過ぎていく。常に紗がかかったような映像は、美しく繊細ではかない。同時に、音響による演出が効果を上げている。聞き取れるかどうかのギリギリまで絞った音声。冒頭、真っ暗なスクリーンから聞こえてくるポタリポタリと滴り落ちる水滴と、ラストの赤ん坊の泣き声……。 始まりと終わり、画面はモノクロからカラー映像に変わる。和式便器の中の深紅のバラと、部屋中に敷き詰められた深紅のバラ。「バラの葬列」という言葉を思い出した。 「誰が風を見たでしょう あなたも僕も見やしない けれど樹立が頭を下げて 風は通りすぎてゆく」

  • da5********

    5.0

    字幕つきのがあればそれも観たい

    古臭さがない。物語的にも視覚的にも、世紀を超越している。 モノクロで音質にも問題がなくはない(?)ので、1960年代ぐらいの作品かなと思ったら、80年に撮られたものだと後で知った。 女優たちが、もしも大昔の寸胴ワンピースか色気なしパンタロンか不格好ミニスカート姿とかで化粧も髪も今的にはイケてなかったり、バブル期のように一過性ありありな低俗さに覆われてやっぱりダサかったりしたら、さらに顔立ちがイマイチだった場合も、これはお洒落でも何でもない傍系古典邦画の佇まいしか発しなかっただろう。 しかし、これは違う。時代や空間の縛りを感じさせない。新しい、というより、そもそも超越的な映画であるようだ。ハイヒールにロングタイトスカート姿だったりする女優たちが、21世紀の今でもそのへんにいそうなぐらいに普通に綺麗である上に、芝居内の言動すべて、当たり前なふうに最新的な現実感あって気持ちよいのだ。 一般的に、「ストーカー」という言葉および概念が国際的にも日本でも広く認知されだしたのは、80年12月のレノン暗殺からである。また「同性愛」は、それを違法と定めたままの国が欧州に20世紀終盤まで多数存在し、日本においては規制はないものの精神の奇形と決めつけられがちで、緩い揶揄心と社会保障面の差別ならば現在なお世界中に残っている。 そしてこの映画は、レズビアン・失恋・ストーキングが外形的には主たる題材なのだが、監督は主に「恋愛心」を丁寧に、というより丁重に、描いた。美しく可愛らしくだ。意見も知識も特にはなく、社会性を帯びさせようとは全然意図しなかったらしい。だからこそ、社会全体につながるものとしての「時代性」にまったく囚われず、「人の心を、ただ描きぬいた、芸術作」になった。しかも、単に美意識の十全さで酔わせるばかりでなく、人の心を清らかさとして打つ主人公の一途さが、結果として2019年の我々のLGBT観にも届く。 奇跡的な、高度な普遍性だ。おそらく22世紀に見てもこれは楽しめるだろう。 苦言は一つだけ。監督の指示通りの最小音量映画だというのだが、セリフが聞こえづらいことがストレスに全然ならなかったといえば嘘になる。デジタルリマスターされたこれをフランス語字幕つきで人がパリで鑑賞できる日が来るかもしれないのなら、フランス人が羨ましい。

  • toy********

    5.0

    ネタバレ忘れられないピアノの旋律

    このレビューにはネタバレが含まれています。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
風たちの午後

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
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