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ミスター・ミセス・ミス・ロンリー

4.0

どことなくジャームッシュっぽいかも

74点 クラブのマネージャーをつとめるイチオはある夜、人のいない田舎道の電柱に縛られていた女を助ける。 家に送ろうにも彼女は住所を言わず、結局イチオは素性の知れないこの女に自宅に住みつかれてしまう。 いっぽう世間ではなんたら商事のなんたら氏が15億円を横領して失踪した事件が騒がれてる。その15億を横取りした三崎。彼は番号を控えられていた使えない大金を宗形を利用して浄化しようと考える。 宗形とイチオは知り合い同士。で三崎はまずはイチオに近づいて……三人の奇妙な共同生活がスタートする、と。 たぶんストーリーはそんな感じであってるんだと思う。 青春映画×金融モノって感じで金にまつわるエピソードは正直わかりにくかったが、ラストには、ああ、そうゆうことだったのね、と納得のいくオチが用意されているため、それなりに楽しめた。 ストーリーよりなによりも、この映画の面白いのはなんといっても単純にフインキ。 見た目怖いくせにやたらやさしい宇崎竜童に自堕落な辞典編集者原田芳雄、そして謎のフシギ系少女原田美枝子、彼らをおさめる青い画面。 むせかえんばかりの1980年の空気感と突如はいるバンド演奏演出のキモチよさ。 カットのタイミングもキモチいいリズムをうむ。 金の話はよくわからんでもこれだけでこの映画はイケる。 あとストーリーにそれほど大きく関わるわけではない細かいエピソードや設定がいちいちオシャレ。 合鍵ドロボー、手と足にちぐはぐに繋れた手錠、辞典編集の愚痴……。 観終わったあとの感じはジムジャームッシュ映画に似てる。 ちなみにあとで知ったことだけど、脚本の原案を考えたのはチサト役の原田美枝子自身。 チサトは映画の中で、自分が敬愛している小説のヒロインの生きざまを模倣していた。原田美枝子は自分が考えたキャラクターをチサトに真似させてそれをさらに自分で演じる、とゆう。 なんて複雑さ。 そこらへんを意識しながらみると、またあらたにこの映画の魅力がうまれるのかも。

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