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日本の熱い日々 謀殺・下山事件 (1981)

監督
熊井啓
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4.13 / 評価:31件

アメリカ様ァ!これが戦後の総括です(笑)

  • ser***** さん
  • 2007年9月10日 1時31分
  • 閲覧数 925
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

 もうすぐ始まる国会の最大の議案はいわゆる【テロ特措法】の延長問題、だそうだ。与党は何が何でもこの法律を通して彼らが国益、と称するものを守りたい。一方、参議院で与党となった野党(なんか言葉が矛盾してるなあ 笑)はこの法律を阻止したい。その駆け引きが実は年金問題で怒ってる国民との最大の温度差である。
 でもさ、与党の守りたい国益って=アメリカとの関係なんであって、別にその国益が変わろうとなかろうと、庶民には全然関係がない。むしろ戦争だの金出せだの、パシリ扱いされなくてセイセイするって思わないんだろうか与党の連中は(笑)。そーいう輩が美しい国・日本!と叫んでも全然美しくもなんともない。ジーク・ジオン!の方がよっぽど美しいっての(あくまでも絵的、にだけど 笑)

 よく政治評論家のほざく言葉に【戦後民主主義の総括】というロジックがある。戦前の総括をしていない、戦後の総括をしていない!とやたらめったら偉そうに叫ぶその《総括》って言葉。私が簡単に論破してやると、
 戦前=天皇様ぁ!
 戦後=アメリカ様ぁ!
 ただこれだけ(笑)。それ以外の何者でもない!とにかく日本は《お上》という意識がないとやっていけない国なのだ。将軍様ァ!の江戸時代(北朝鮮じゃないよ念のため)から天皇様ァ!、そして今はアメリカ様ァ!と、常に《上》を気にしつつ何でも動こうとするこの姿勢。これを総括してからじゃないと何事も前には進まない。

 そこで何故かこの映画。実はこのレビューを書こうと思ったのもたまたま今、映画監督でもある森達也氏の「下山事件」を読んでいるからに他ならない。とにかく戦後最大のタブー、とされた謎の多いこの事件はジャーナリストはもちろん映画監督の創作意欲さえ奮い立たせる代物。結局その真相は未だに謎のままで共産党のしわざとか、アメリカの謀略だとかいろいろ憶測はあるが、やっぱり謎は謎のまま。
 ただ、あの時代からこの国は《アメリカ》という巨大な雲の上の何かによって踊らされてきた、という【真実】だけは変えがたい事実だ。

 社会派映画の巨匠・熊井啓監督による本作はまさにその黒い霧=アメリカの姿を、事件を追う新聞記者たちの視点によって見せつける力作だ。無論、彼は以前に「日本列島」という作品でもアメリカがこの国に残してきた傷跡と影をストレートに描いてきたが、なんせこちらは戦後史に残るミステリーである。ゾクゾクする面白さは史実を元にしているので面白いのは当然だが、同時に製作された1981年(戦後、となって36年)の間もピッタリ後ろで我らを操る【アメリカ】という怪物とのジレンマをも描き出して秀逸だ。そしてそれは未だに変わっていない。既に戦後となって62年もたつのにである。

 国鉄総裁・下山定則を殺したのは誰か?
 この答えは、実は同時に、
 日本人を《殺した》のは誰か?という答えとピッタリ重なる気がしてならない。民主主義、という甘いお菓子を与えながら実はそこにはちゃっかりと日本人の価値観を《殺す》劇薬が仕掛けてあった・・・殺された日本は今やモラルを失い、かつての美徳を失った。だからこそ今の首相は【美しい国】という価値観を植えつけようとするも、だが、一度心を殺された人々の間にその言葉は届かない。ましてや、傀儡政権と変わらない政権与党が未だに、
 【アメリカ様ァ!】と朝貢外交を続けるうちは、日本人がかつての様な美徳を持った民族に変わるはずもないわけで、まったく無茶苦茶でござりますがな、ってな話だ(笑)

 結局、アメリカ様ァ!のもとに日の丸を振る日本は未だに精神的占領下にあるって事だけは間違いない。アジアにあるアメリカの州(笑)。それでもいいじゃん、て人にはつける薬は当然ないわけだけど(笑)、少なくともこの発言に怒りを覚える人は是非、この映画を見て戦後の闇と向かいつつ、未だに我等の前に立ちふさがるアメリカって国を見てこう思って欲しい(当然中指を立てて!)
 「ゲッアウト!(出てきやがれ!)」
 ・・・とは申せ、そんな声など聞こえもしないのが、今の政治の不信なんだけど(笑)。

 余談だが、森達也著「下山事件」はマジに面白いです。興味のある人は映画を見つつ、是非読んで見て下さい!(別に宣伝マンじゃありませんけど 笑)
 

 

 

詳細評価

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