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男はつらいよ 寅次郎紙風船 (1981)

監督
山田洋次
  • みたいムービー 4
  • みたログ 212

3.81 / 評価:64件

夢と現実。

  • tengu3711 さん
  • 2011年6月8日 6時20分
  • 閲覧数 1001
  • 役立ち度 25
    • 総合評価
    • ★★★★★

夢ばかり見ているヤクザな男がいる。

他人の現実を茶化し、笑い飛ばした所で、自分の現実から逃れる事は出来ない。

そんなヤクザな男が、同情ついでに恋をした。

相手の女は、死んだ仲間の未亡人。

同情は「憐れみ」であって、決して「本気の恋」では無い。

夢を語り、夢を観続けようとする男のもとに、茶化した世間からの「返事」がくる。



「不採用」・・・・・・・・・・・・・



シリーズ第28作目。

「寅次郎紙風船」

失恋した時は、寅さんである。

ありとあらゆるパターンを、寅さんは見せてくれるし、泣かせてくれる。

観終わった後は、俺のチンケな失恋なんざぁ、吹っ飛んでいる・・・・



それにしても、本作の「辛辣さ」は、まるで初期の「寅次郎」を、観ている様だった。

「アウトロー」としての寅を、ここまで強調した作品は、久し振りである。

ノーベル賞、同窓会、家出娘、テキヤ仲間と、

前半は、徹底して「つまはじき者」である描写に終始し、

それでも、「甘い夢」を見て、人並みに生きようとする「アウトロー」達に、

後半では、冷徹な「現実」を、ありのままに突き付ける。


本作のマドンナ、音無美紀子は、地味だが、印象に残る。

「人を、猫や犬みたいに・・・・」のセリフは、秀逸である。

あの瞬間、寅次郎は気付くのだ。

自分の今している事は、真の愛情とは、全く違うモノなのだと・・・・


そして・・・結果通知・・・・・なんとも、切なく哀しいシーンだ・・・

身内がいる目の前で、現実社会から寅次郎に「審判」が、クダサレる。

それこそ、犬コロみたいに、「切り捨て」られる・・・


しかし、この後の寅次郎の態度が、死ぬほど、イタイのだ。


「こりゃ、とんだ三枚目だ・・・・・」


そう言って、寅は笑う・・・・この「笑顔」こそ、日本人的笑顔そのものだ。

泣きたい・・・・ホントはもう、現実の厳しさに泣いてしまいたい。

だが、「ソレ」をしたら・・・・・「最後の砦」まで崩れてゆく気がして・・・・

ソコは、持ち堪えて、「カラ元気」で笑ってみせる。


この果てしない「寂寞感」こそ、「男はつらいよ」の醍醐味なのだ。


とことん「地獄」まで落とされて・・・・それでも「生きろ!」と言われて、

寅は、師走の風に吹かれ、また旅に出る・・・・・


映画は、「夢」も見せるし、「現実」も見せる。

励ましもするし、落ち込ませもする。

「痛み」を知っているからこそ、励まし、勇気づける事もできる。

「男はつらいよ」のラストシーンは、いつも「出発」である。

負けたっていい、泣いたっていい、失ったっていい。


そう、今日から、また、「出発」だ!!

詳細評価

物語
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