飛鳥へ そしてまだ見ぬ子へ
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

泣ける33.3%絶望的33.3%切ない33.3%

  • おおぶね

    5.0

    自分自身がガンになって

     このレビューを書くのも、あと5日間しかない。  なので、最後に体験談を書いておく。  それにしても、レビューが一つもないということは忘れられた映画の一つになっていて、再放送されることもなくなったのだろう。  時代というものかもしれない。    僕は先月、ガンの手術で入院していた。その時分かったのだが、20年前に手術をした同僚は周りが本人にどういうべきか悩んでいたのだという。  僕の場合は、子どもたちにいつ告げようか、と悩んでいた。  留学から帰ってきた娘にそのまま、長でなくなって必要性がなくなったiPhoneを渡していたのだが、同僚のカナダ人が「どこのガン?」とメッセージしたのが、伝わってしまって、ばれた。    NHKスペシャルだったと思うが、放送した時には「妻へ」というのが冒頭についていたのだが、妻はいつの間にかなくなっていた。  その夕刻。自分のアパートの駐車場に車をとめながら、私は不思議な光景を見ていました。世の中が輝いてみえるのです。スーパーに来る買い物客が輝いている。走りまわる子供たちが輝いている。犬が、垂れはじめた稲穂が雑草が、電柱が、小石までが美しく輝いてみえるのです。アパートへ戻って見た妻もまた、手を合わせたいほど尊くみえたのでした。  と書いているのは富山県出身の井村清医師で映画にもなった『妻へ飛鳥へそしてまだ見ぬ子へ』の中で肺への転移が見つかった日の手記だ。ある日、ベッドで横になっていると、胸に腱を引くような痛みが走り、不吉な予感を覚えた井村医師。翌日、レントゲンを撮って写真を見たとき背中が凍ったそうだ。    幸か不幸か、僕がガンを告げられた時に、生きとし生けるものが輝いて見えることはなかった。  恐らくそれは、二人の子どもが成長しているせいだと思う。ガンが直るという時代の違いもある。  だが、当時は転移したことが、自分で分かると、そして子どもが小さいと、そんな気持ちはひしひしと伝わってくる。  ガンだと宣告された時も、あっさりしたものだった。  黒澤明の『生きる』では病院へ行くと、患者の一人、渡辺篤に「(医師に)軽い胃潰瘍と言われたらそれは胃がんだ、手術の必要などありませんといわれる」と忠告するのだが、ビンゴで、志村喬はさまよってしまうのだ。  黒澤には『静かなる決闘』というのもあって、こちらは梅毒がうつっただけで、死を覚悟する医者の話だった。時代を感じる。  2人に1人はガンになる時代だという。  僕もそうだったが、いきなり死と向き合うことになる日本人が増えているということだ。  終ってからも、転移の恐怖から逃れることはできない。  ガンの治療は高いし、場合によっては底抜けだ。ガン保険に入ればいいのだが、これ自体が高くて、僕ももらうことになるのだが、なんだ自分のお金を返してもらっているだけじゃないかと思えてくる。    子どもが小さいのに、肺がんにかかって、亡くなった知人がいる。タバコを止めなかった。  タバコを吸わなかったのに、肺がんになって、亡くなった同僚がいる。  ガンで亡くなったが、親戚が誰もいなくて葬儀もちゃんとされなかった同僚もいる。  一人息子なのにガンで亡くなり、その後まもなく一人娘も亡くした親がいた。  この映画は不治の病をネタにした感涙物の映画なのだが、どこかで再放送する価値はあると思う。  (ごめんなさい)リバイバルは見てないが。  暗い話で、このサイトを終えるのは心苦しいが、みなさんお元気で。  

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
飛鳥へ そしてまだ見ぬ子へ

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル