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さらば愛しき大地 (1982)

監督
柳町光男
  • みたいムービー 26
  • みたログ 84

3.47 / 評価:38件

豚だって逃げ出したい

  • 文字読み さん
  • 2010年10月11日 0時29分
  • 閲覧数 3418
  • 役立ち度 13
    • 総合評価
    • ★★★★★

1982年。柳町光男監督。田舎でダンプを運転する男(根津甚八)は結婚して二人の息子もいるが親の農家も手伝わずに好き勝手に暴れている。ある日、息子たちが川で溺死、母親が逃げ出して傷心している飲み屋の女(秋吉久美子)と意気投合して家を出るが、商売がうまくいかずに次第に覚せい剤で身を滅ぼしていき、、、という話。農業と土建屋しかない典型的な日本の農村で「逃げ出したい」と思いつつ逃げ出せない男の悲劇を淡々と描いています。逃げればいいじゃん、という単純な疑問がわく以外は、悪くない。

恐ろしいのは、暴れまくって迷惑をかけている根津だけでなく、周囲の人々がみんな同じように「逃げ出したい」と思っていること。人々と男の違いは見た目ほどたいしたことではない。男の覚せい剤のように、母親は新興宗教に、父親は無関心に、正妻は浮気に、友人は吃音矯正に、逃げ道を見つけているからです。しかし本当に田舎から逃げ出したのは浮気相手である秋吉の母親だけで、みんな我慢してしまう。おそるべし日本の田舎。ラストで豚が逃げ出すのもうなづける。

執拗に挿入される緑の稲穂や森の木々が風に揺れるシーンは、だから、人々に我慢を強いる「田舎」の恐ろしさの象徴でしょうね。最初の子供が二人であるだけでなく、あとから出てくるのも正妻の子と浮気の女の子の二人という、「子供といえば2人」というのもなんだか不気味でした。

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