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凶弾 (1982)

監督
村川透
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2.67 / 評価:6件

銀幕のサラブレッド【石原良純】デビュー!

  • いつも風 さん
  • 2009年1月21日 0時14分
  • 閲覧数 1637
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

日本映画界のスーパーヒーローの血を受け継ぐ石原良純映画デビュー作は、ハードボイルドの巨匠村川透監督社会派アクション大作。

今ではお天気キャスターが似合う並のタレントだが、芸能界デビューとなった26年前のこの作品では、日本映画界期待の大型俳優として注目されていた。
当時、スボーツ紙(報知)に載った記事を覚えている。
見出しは『石原裕次郎の甥映画デビュー』だったか、鬼の形相をした良純が、バットで義兄を殴り殺しているシーンの写真と、「さすが裕次郎の甥、迫真の演技で反骨の少年役を熱演!」とかのヨイショ記事。
「へぇ~、なるほど」
ちょっと気になり、劇場に足を運んだ。
福田洋ノンフィクションノベルス『凶弾 瀬戸内シージャック事件』を、時代(映画公開当時の82年)と場所(湘南)を変え映画化した作品だった。

70年5月に広島で起きた国内初となるシージャック事件。

よど号ハイジャック事件の2か月後だったせいか、事件発生当初は「また、過激派か!」と世間が騒然となりメディアが大きく報じたが、どうってことない。犯人は政治目的の過激派ではなく、20才そこそこの街のゴロツキ。
ライフル銃を手にし、乗客乗員を人質に小型旅客船を乗っ取ったが、警察の狙撃手によってあっけなく射殺された。
その模様はTVで全国の茶の間に流され、よど号事件で権威を失墜させた警察が名誉挽回に見せしめとしての、いわば【公開射殺】という形でケリを付けた。
おそらく、よど号事件の直後でなければ、あるいはただの不良ではなく過激派組織の犯行であれば射殺される事はなかっただろう。
何とも不運な若者だった。そして、国内初の人質犯射殺でもあった。
その射殺された犯人役が、石原良純だ。
社会の不条理に反抗する少年院上がりの反骨少年として描かれている。
『国家権力VS不良少年』といった構図を前面に出し、どちらかと言うと不遇な環境で社会の落ちこぼれとなってしまった少年寄りの視点だ。
『凶弾』という題は、犯人良純が放った銃弾の事ではなく、良純少年の胸板を打ち抜いた警察の銃弾こそが凶弾だと意味だろう。
事実、瀬戸内シージャック犯を射殺した警察の狙撃手は、のちに人権団体から【殺人罪】で告訴されている(裁判で正当防衛成立)。
映画公開当時、『落ちこぼれ』、『校内暴力』と言った言葉がクローズアップされ、荒れる若者、反抗する若者といった風潮があった。
そんな時代ニーズに合わせて、この映画は作られたようだ。
ハリウッドばりのカーチェイス、人気上昇中ポップスシンガー山本達彦が歌う主題歌『ラスト・グッバイ』。
題材と話題性は十分だったけど、しかし話題性だけで選んでしまった主役のせいで薄っぺらな映画になってしまったのもたしかだ。
初めて見た石原良純は、反骨少年というより、とんこつ少年にしか見えなかったし、芸達者なベテラン俳優陣に囲まれ、ド素人な演技が気の毒なほど浮いて痛々しい。
「オレ映画なんかやりたくないのによぉ~」とでも思ったのか、終始口を尖らせ怒りまくっていた姿は、迫真の演技? いや、本音だったのかも知れない。

メイクデビュー戦で、超良血サラブレッドが断然人気で惨敗!
競馬ではよくある話だが、まさにそんな感じの映画だった。
そして、お笑い芸人ビートたけしを、映画人北野武として世に出した奥山和由映画初プロデュース作品でもあった。
彼もまた、良血サラブレッド。
でも、のちに落馬してしまったけど・・・(松竹追放劇)。

詳細評価

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