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上映中

東京裁判 (1983)

監督
小林正樹
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4.12 / 評価:106件

日本の近現代史を総括する

アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録を基に客観的視点と多角的分析を施しながら「時代の証言者」としての”映画”を完成させたとフライヤーにあった、そしてまた、日本の軍国主義の歩みと激動の世界情勢を照らし合わせながらとも。

この映画の特に優れている点は、世界の近、現代史を過不足なく描いているということ。
その歴史の中の証言としての映画、私たち今現在の人間も歴史の一つのポイントでしかない、しかしそのポイントを誤った方向にもっていくこともできる、そこに思いを致さねばならない。
現在を知ることは過去を知ることだ、よく言われることだが、まさしくそうだと考えさせられた映画。

戦勝国は自分たちのしてきたことを棚に上げ正義面をして敗戦国日本を裁いた、どうしても日本を悪としたかった、という考えも多い。
戦争そのものは悪である、しかし現行の法で戦争犯罪者を裁くことはできない、というパル印判事の理論は大きな説得力を持っていたと思う。
何としても29名の戦争責任者を有罪にしたいという主要国の思惑は日本人にこの裁判は間違っていると言わせるものがあるのもそうだろう。
しかし被告それぞれに弁護人が付き、その弁護人の誠実な仕事ぶりには、ここは当時の日本人にはとても及びもつかない欧米の先進性を感じた
つまり、映画は客観的視点ということに最大の価値観を置いているように感じた、映画の方向性を見せない・・・観客それぞれがどう考えるか、その資料を見せている、その踏みとどまった姿勢に監督の骨太い思想を感じる、そこに感動する。

この裁判で死刑の判決を受けたのは7名、大半が終身刑であったが、理不尽に死んでいったBC級戦犯のことを思うと釈然としないものが残る。
自殺を選んだ戦争責任者については、この映画を観た後の感想としては、卑怯としか言いようがない。

そしてもう一つ、広島、長崎に落とされた原爆、それに対する責任はどうなっているんだ、という怒りも感じる、映画でもそのことは言われていたし私もそう思う。
戦争の終結を早めるためというアメリカの言い分は欺瞞でしかないと思っている
それに対する日本政府の弱腰も情けないとしか言いようがない。

「日本人がそんなことするわけないじゃあないですか~」といった能天気な与党議員、”八紘一宇”などというアナクロい言葉を持ち出す同じく・・
嫌な世の中になってきたなと思う。


戦後74年 全国戦没者追悼式での・・
「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って再び惨禍が繰り返されぬことを切に願う」

令和天皇のお言葉でレビューを終わります。

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