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南極物語 (1983)

監督
蔵原惟繕
  • みたいムービー 56
  • みたログ 1,556

3.58 / 評価:368件

うさんくささがある

  • bar***** さん
  • 2018年4月24日 20時55分
  • 閲覧数 1951
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

南極物語。

私はこの映画が好きにはなれませんでした。
ストーリーは実話を基に作られています。それを考えると、ストーリーにあまり違和感は感じません。

ただしですね、犬の扱いについて、いろいろ苦言を呈している方いらっしゃいますが、私も同様にそう思っています。首輪を思いっきり掴んで引っ張ったり、犬に対して「誰が餌をやってっと思ってんだ!」とか怒鳴ったり、そういった細かいところなのですが、ニュアンス的に、犬に対する接し方が違う……いちおうですね、南極調査という仕事があって、貴重な労働力として犬を利用するのが当たり前だった、ということを考慮し、さらには時代の違い(昔は今よりも荒っぽかった?)ということを考慮してもですね、一つだけ抜くことができないところがあります。

それが「これが感動を創作するための作品である」という点。
ようはですね、実話としてそういう犬の扱い方があって、仕方なく犬たちを置いていくほかなかった、ということは理解できるわけですが、もう一度犬たちにあの過酷な撮影をやらせ、犬を人間たちのパートナーとして捉え直そうという志向がですね、ちょっといやらしく感じるんですよ。人間は創作活動と思ってやっているわけですけれど、犬たちはどうなのか? っていう話なのですよ。

「じゃあ、動物たちを主役にした映画なんか撮れないじゃないか」っていうお話もありますね。その通りです。いつまでも人間の片隅に控えている存在としてしか描けないではないか、と。自分はですね、初めから動物の存在をあてにして映画を作ることには反対です。たまたまいい画が撮れたから、動物たちも重要なキャラクターとして配置していこう、というのはいいと思うんですよ。あるいはですね、きちんと犬たちも重要な役者として立場を考えて、犬たちの望むままに撮影をやらせるとか、犬たちの主体性を取り入れた撮影だったら(そういうのは犬たちに対する取り扱いの姿勢が画面から見えてくる、わかってしまう)、自分はいいと思うんです。ようはですね、あらかじめ感動作として考えられたストーリーに無理矢理犬たちを当て込んでいくようなスタイルには我慢ならないわけですよ。

この映画はそういう映画だと思います。すごくうさんくさいんです。犬たちを道具的な存在として取り扱っている、そういうふうに感じてしまうんです。愛だの何だのは、あらかじめそういう前提があっての話で、所有物という垣根を越えていない。そんなふうに見えてしまうんです(あくまで「これを撮影する」という場での話です。実話の実情はわかりませんし、ストーリー自体は犬への愛に満ちたものになっていると思います。「映画にする。その細かなディテール」という場で犬への曲がった愛情のようなものを感じただけです)。

あとは演出や撮影の話になっていくのですが、これはもうほんとお話にならないレベルでして、いびつな演出音楽とか、自然光を無理矢理使った、真っ暗な画面、意義のないカットシーン、くぐもって聴き取りづらい早口、一部の俳優以外の演技のひどさ、そしてとにかく構成のあやふやさ。すべて平均を超えるものではなく、総合的にはひどい映画の部類に入ると思います。

唯一いいのが先ほども言いましたが、ストーリー自体でして(ストーリー自体というふうに区切って言わなくてはならないのが悲しいですが)、これは悲しくって切ない話になっています。映画化する上でめちゃくちゃにされてはいますが。あとはロケーションでしょうか。真っ白な雪原などは、迫力がありました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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