ここから本文です

ふるさと (1983)

監督
神山征二郎
  • みたいムービー 27
  • みたログ 92

4.16 / 評価:73件

老-老介護じゃなくて、老-幼(少)交流がいい

  • 百兵映 さん
  • 2015年6月8日 15時26分
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

 認知症の描写(演技)がいい。実際にこうなのだ。周りの者は腹が立つのだ。親身になるほど情けなくもなり苛立ちも募る。それを、「優しく包むように接して」などとご高説を仰る方も多い。認知症をユーモラスに、あるいは可愛らしく表現しているハッピーな映画も少なくない。どれも、それはそれで正しいのだろう。しかし、多くの場合腹立たしい認知症が殆んどだ。放り出したい認知症が殆んどだ。

 少年がいい。認知症といわずとも、老人には少年の相手がいい。大人があれこれ気を使い知恵を回して世話をするより、少年がナマのまま接するのが癒しになり精気の回復になり、老化の防止になるのだ。若返るのだ(幼齢化といえなくもないが、それでもいい)。

 いい映画なのだが、惜しむらくは焦点がボケていることだ。
  地域開発で『ふるさと』が埋没する悲哀。
  老人の孤立、悲哀。
  少年との交流の熱さ、希望。

 焦点をどこに当てたら良かったのだろう。この際、死の場面の実写は要らないのではないか。代わって、釣りの場面、例えば:仕掛けを作る(老人には経験上の秘伝がある)、餌を着ける(老人は手が震えてこれが出来にくい)、たも網を手繰る(老人には両手のバランスが出来にくい)、焼いて食べる(老人の歯には難しい)、等々を教えられたり助けられたりして本当の交流が成立する。この地のこの人たちだけの交流が育まれる。それが生きるエネルギーになる。ここが『ふるさと』になる。そういうところをリアルに描写してはどうだったろうか。老人を知っている人、ふるさとを知っている人、経験のある人たちだったら、そういう描写ができると思うのだが……。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ