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ふるさと

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5.0

ダムに沈む村と呆け行く老人の物語

題材的には悲哀劇なんだけれど、呆け老人役の加藤嘉さんがあまりに素晴らしすぎて喜劇とさえ言えるような可笑しさが醸される。 真性の呆け老人かと思いきや子供と釣りをし始めてからはまともな意識を取り戻し、離れに住まわされることを根に持って怒りを爆発させたり、その二転三転ぶりにこちらも息子夫婦同様呆れたりしながらどこか憎めない。 本作は加藤嘉さんの存在感と演技なしには成立しえなかっただろうと、心から拍手を捧げたくなりましたよ。 ダムの底に沈む村の物語がすっかり加藤さんにくわれてしまったけれど、ラスト村人皆が集まって学校最期のお遊戯会はしんみりとした悲しさを味わわされる。 最初は実はドキュメンタリ-だとばかり思い込んでいたので、有名俳優による再現劇と言うよりは虚構劇に期待感はしぼんでしまった。しかし、ダムに沈む村と呆け行く老人の並行物語は、同様の経験がなくても田舎人であれば物哀しい郷愁を呼び覚ますには十分以上の出来栄えでした。 4.6の五つ星 加藤嘉さんとその亡き妻の若き日を、ウロトラマンタロウ篠田三郎さんと岡田奈々さんが演じていたのにオオッとなる。なるほど加藤嘉さんも若き日はあれほどシュッとしたイケメンだったんだなと大いに納得できましたよ。笑

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