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逃がれの街 (1983)

監督
工藤栄一
  • みたいムービー 4
  • みたログ 65

2.90 / 評価:21件

「なにもかも嫌になった。それだけさ。」

  • T-800 さん
  • 2007年7月7日 22時30分
  • 閲覧数 1335
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

恋人の牧子が避けてるようで会ってくれない。

仕事先でも上手く行かない。

気障りな先輩に歯向かっては逆にやられる始末。

傷心の幸二はこの状況に対して反撃を起こす。

もう、我慢はしない、とばかりに・・・。

そころが、過ちを犯し逃亡することになる。

そしてその運命は転落の一途を辿ることになっていく。



原作はいつ読んだんだろう。

北方謙三ものでは僕は「檻」が最高だと、今でも思っているけど

映画ではこの「逃がれの街」が「友よ静かに冥れ」とともに忘れられな

い。



つい最近も興奮を抑えながらTVで観ることが出来た。

実はあちこちのビデオ屋に行ったり電話したりして探し回ったけど

置いているところがなく、ネットでも「希少」とあって

思い切って買ったものかと考えていたところだった。

ケーブルテレビのプログラムガイドで突然見つけたときは

ほんとに「アッ」と声を上げた。

名作・大作と違いどこにもその情報が無かったけど、どうやら縁はあっ

たようだ。

探していたところに、向こうからやってきてくれた。



音楽は柳ジョージだったんだ。



悲劇の青年・幸二にはギラギラしてた頃の水谷豊。

「青春の殺人者」の頃よりもさらにいい感じになっている。

後輩役の島田紳介はまだ若手で、職場でいじめられている役。

出て行った幸二を慕って追って行き

体の無理がたたり、持病でのたうち回って死ぬシーンが実に哀れ。

阿藤海が憎々しい先輩役。

田中邦衛が仕事にしがみつく初老のおっちゃん先輩社員。

小林稔侍が刑事でその熱血部下が本田博太郎。

その2人の上司に夏木勲。



「なにもかも嫌になった。それだけさ。」

と川辺で天を仰ぎ、先輩から手ひどくやられた顔を拭きながら

おっちゃんに語る幸二。

幻の女に賭けて、振り回され、人を殺し、ぼろぼろになり

それでもふと出会った4歳のヒロシのために

家族の元へ送ってあげるという優しさは失わないでいた幸二。

しかし、ヒロシの身内から冷たいあしらいを受けるに至って

二人で山に登り空き別荘にこもる決心をする。



殺人に誘拐の容疑までかけられて、ものすごい数の警官隊が、じりじり

と四方から迫ってくる。

幸二はとうとう雪山に追いつめられ、終焉を迎える。



「道ってもんは踏み外すためにあるもんさ」、と何かの主人公に言わせ

た北方小説の滅びの美学のひとつがここにある。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
  • 切ない
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