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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

xeno_tofu

5.0

ネタバレ2度目だと、すっきりしたストーリーに驚き

レビュー日は2020年10月。(☆を一旦付けちゃうと、その日がレビュー日になる仕様はどうにかならないものか…) うる星やつら、ビューティフル・ドリーマーは2度目の視聴。本作の影響作(と位置付けていいかな? 風鈴屋かな?屋台の描写はそうだよね)実写ドラマ「ケイゾク」映画Beautiful Dreamerを見たので、再鑑賞してみた。 1度目は、その難解な世界像に頭を叩かれたような思いだったが、1時間半というコンパクトな時間で収まっていることも相まって、2度目となると、思いのほか、すっきりと話が入ってきた。まあ、細かな展開はけっこう忘れてしまっていたけれど。 これは、この間に、本作より難解な作品を見てきた、特に本作と同じ構造「誰かの夢に取り込まれる」作品を鑑賞してきたおかげだと思う。 本作の最大の強みは、キャラが立っているため、そのキャラの原則さえ守れば、どんな舞台を用意しても「うる星やつら」になっちゃうこと。 女ったらしの諸星あたる、それにゾッコンの空飛ぶ宇宙人ラム、超金持ちでも閉所恐怖症の面堂終太郎、可憐な怪力キャラしのぶ、めがねなどちょい脇のキャラも含めて、そのキャラの柱部分を保持していれば、初見者であっても、「うる星やつら」というギャグ漫画ワールドを知ることができる。 これによって、何でも実現する夢世界という設定が荒唐無稽でありながら、ちゃんと「うる星やつら」になっている。原作者の高橋留美子は本作について怒ったなんて逸話があるようだが(ネットのうわさを見ただけなんで、真偽は確かめてない)、基本原則は守られている。 だからこそ、繰り返される文化祭前日が、ギャグマンガらしいドタバタ劇の騒動が毎度描かれることで、サイコ・ミステリーのような不気味な後味を和らげながらも、絶妙に感触を残していく。 ラストの校舎が2階建てになっているというも、何とも言えない読後感ならぬ鑑賞後感。(屋根部分が3階とも考えられるけど、サクラのセリフからは、作中で描写された校舎は屋根を抜いて4階建てみたいなんだよね)。まだ、夢の中なのか否か、鑑賞者に委ねている。 夢邪鬼が世界史の重要人物に影響を与えていたり、「胡蝶の夢」を持ち出したりと、監督・押井守の作家性が打ち出された本作。アニメの映画化にあたって、けっこうな確率で誰かの夢や意識に取り込まれる(そして、本作のように同じ日を何度も繰り返す)話が取り上げられるのは、本作の影響ではなかろうか。 (今年10月に公開される人気アニメも予告見る限りは、夢世界があるみたいだもんね笑)。 しかし、ある種のスター・システムようなアニメって最近ないよなぁ。 また、冒頭でウルトラマンなど円谷作品らしき造形のキャラ(というか、まんまだけどね)がいたりと、著作権の緩さも、時代とはゆえ、今の世では気になるところだよね。 押井作品として楽しみつつ、後年のアニメ映画の原点みたいなものを感じられる作品。多くの人におすすめできる☆5つ!!

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