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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

ym

5.0

借り物

30年前のギャグ漫画など、現代では笑いの質が激変し通用しない。 この作品がそれらが取り除かれているので、いま現在視聴してもあまり違和感を感じないのだ。うる星やつらの原作は忘れられても、この映画だけが残るのではないか。日本のアニメ映画史上、3本の指に入る傑作である。(ちなみに他の2作品とはカリ城と劇場版999。個人の感想です。) 単純で下品なドリフのコントは今見ても面白いが、内輪受け、楽屋落ちだらけのひょうきん族を見ても1ミリも面白くないだろう。当時ラムちゃんのどこにそんなに夢中になったか、今この映画を見てもわかりにくい。 この映画、超人気アニメの映画化という借り物で成り立ってる。押井による確信犯的なトロイの木馬だ。普通のアニメ映画を作るフりして自分の好き勝手に自由に作った映画である。当時のアニメ界は幼児向け玩具販促アニメを作るふりをして難解な中高生向けアニメを作ってしまった、富野のイデオンみたいな作品が横行しており、そんな監督の暴走を結果オーライで許すような空気もあったが、玩具スポンサーはいい迷惑でしかなかっただろう。今では絶対に許されない。 30年ぶりに見返してみた感想だが、 この映画、公開当時、カリ城の焼き直しのような快作であった、映画1作目のオンリーユーとは全く異なるダークなテイストで、普通のファンからは、なんかくら~いと否定的な意見が多く、見る前は不安だったのだが、確かに一見地味な映画ではあるが見終わったあとにズドーンと心に何か突き刺ささったような感動で、何かどえらいものを見てしまったと興奮したのを覚えている。頭悪い一般ファンの低い評価とは何だったのか。この映画の深いテーマを理解できないのだ。 子供でも見られる明るく楽しくちょっぴりエッチなアイドルアニメを見に行ったら、こんな高2病こじらせた難解なループものを劇場で見せられた観客の困惑はいかばかりかww観客の期待との深刻な不一致で低評価になるのは当たり前だ。 この映画、単なるループものとしても傑作なのだが、重大な裏テーマ、 原作者への確執という生みの親への反抗的な裏テーマがある。 人なつっこい耳の長い豚・夢を食う獏の尻になぜか、「(C)著作権マーク」があるのだが、なんだこれ?と考えていると、これは原作者側を象徴している。押井らしい、権力への革命的な作品でもある。 皮肉な事にと言うか必然というか、押井の降板以降、うる星やつらは輝きを失い、原作を引き延ばした冗長なアニメに堕落していき衰退する。そしてラムちゃんのアニメアイドルとしての寿命も尽きるのだ。 この作品ルパンVS複製人間の影響が強い。無邪鬼はマモーか。非常によく似ている

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