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名探偵ホームズ2 海底の財宝の巻

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4.0

シャーロッキアンも納得では?

 記憶違いかもしれないが、「ナウシカ」と同時上映だったのではないかと思う。当時の私には「ナウシカ」よりもこの「ホームズ」の方がメインだった。  シャーロッキアンとは名探偵シャーロック=ホームズのオタクの事である。「スタートレック」のオタクをトレッキーと呼ぶのと同じだ。ホームズの世界を熟知しているだけでなく、実在存命の人物と信じて疑わない人もいるそうで、映画化・アニメ化にはシャーロッキアンたちの酷評を覚悟しなければならない。私はシャーロッキアンではないが、宮崎駿氏が担当したパイロット版は原作の香りが色濃く残っていて納得できるのではないか、と思う。  原作を読んでいない人たちは、ホームズを文武両道の溌溂とした正義の味方の爽やかなお兄さん、というイメージを持っていると思う。これは子ども向けに書き直されたホームズもの小説や漫画の影響だ。しかし原作のホームズは、正義感は強いが些か独特で、内面に屈折したものを抱えている上にワトスンが気を付けていないとドラッグをやりかねない不健康な気質、整理整頓が苦手、知識量は抜群だがそれは犯罪捜査に関連のあるものに限定、ハッキリいって犯罪捜査オタク。宮崎駿氏も原作を大事にしているのか、ホームズのだらしない部分、変わっている雰囲気は随所に残していた。  宮崎駿氏が手掛けたアニメは19世紀ヨーロッパの描写が優れている事で定評があるが、この作品もホームズが活躍した19世紀末のビクトリア王朝時代のロンドンが再現されている。飛行機が登場するが、これは愛嬌だろう。(アニメの設定時代は20世紀初頭か? それではアガサ=クリスティの探偵ポアロと同時代になるが、そうなると服装がちょっと・・)  ファンによっては好き嫌いがあろうが、私は柴田彦氏がホームズの声を担当した方が聞こえが良かった。TV放映時に担当された広川太一郎氏は優しいお兄さん的声なので、合っていないと思った。  TVで放送される事になる訳だが、この「海底の財宝」と「青い紅玉」「ミセス・ハドソン人質事件」「ドーバーの白い崖」以外のエピソードは熟れていない印象を持った。たぶん、ゴールデンタイムで放送する子ども向けアニメゆえ、制約が非常に厳しかったのだろう。テレビ局側が要求する対象年齢は小学生以下だろうと思う。

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