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月蒼くして

月蒼くして

THE MOON IS BLUE

95

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5.0

カットの節約

1953年。オットー・プレミンジャー監督。ブロードウェイの芝居の映画化。エンパイアステートビルで出会った裕福で若い建築家(ウィリアム・ホールデン)と女優を目指す貧しく素直な女性(マギー・マクナマラ)の一晩の話。結婚前に関係を持つことが適切ではなかった時代を背景に、お互いに一目ぼれした二人が牽制しあいながら愛情を獲得するまでのコメディ。あけすけによくしゃべってかわいらしさを失わないマクナマラは後のメグ・ライアンの原型。 妙に性的なことばかり話題にする女性が自身処女であることを公言しつつ、無邪気に男たちを翻弄してしまうという展開になっています。精神分析も意識されている。こういう天然系には世間の常識が通用しないので、「男と朝までいたらなにかあっただろう」とか「男が金を渡すとしたら取引があるだろう」ということが、無邪気な女性の行動によって反省されます。いちいち質問して納得するこの女性が体現しているのは「常識」の向こうにある「真実」へのあくなき追究です。 ということとはたぶんまったく関係ないのですが、カットが少ない。ズームしたり引いたりもしない。節約しているのだろうか、または舞台の臨場感を出したいのだろうか。

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