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夢千代日記 (1985)

監督
浦山桐郎
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3.17 / 評価:24件

浦山監督の遺作に涙する

  • まんだよつお さん
  • 2018年12月31日 17時26分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

浦山桐郎監督、吉永小百合主演作品といえば、映画好きなら誰でも思い浮かべるのが『キューポラのある街』。浦山桐郎にとっても、吉永小百合にとってもデビュー作となるこの映画が、その後の二人が長く歩み続ける映画人生を決定づけたことは間違いないだろう。

それから幾星霜、浦山桐郎×吉永小百合のコンビによる再度の作品は、悲しいまでに無惨な映画だった。

主演の吉永小百合にとって「夢千代」は、テレビ番組で圧倒的な人気を誇っていたキャラクターで、彼女のイメージとダブりながら一人歩きをしていた。脚本家の早坂暁にとっても、「夢千代」は、自らの代表作であり、集大成となる完結編には並々ならぬ意欲を持って臨んでいたことだろう。何より二人にとって、「夢千代」のイメージは変えることなど思いもよらぬ絶対的なものであったはずだ。

それに対して、映画版を監督する浦山桐郎の「夢千代」に寄せる思いの中に、過去のテレビ版とは一線を画す完結編に相応しい映画に仕上げたいという目論見があったことは想像にがたくない。それこそが、ものを創り出すという業にとりつかれた映画監督の誇りなのだろう。

しかし、結果として三者三様の思いは空回りし、同じ方向を向くことなく、バラバラのまま映画作りは進んでしまった。それぞれの作品に対する熱い思い入れ。いっさいの妥協を許さない姿勢。既成のイメージを重視する立場と、新たな造形を目指す立場の葛藤……。製作に携わる三人の誰が悪いのでもない、製作に携わる三人誰もが正しいがための悲劇。不完全な出来上がりとなってしまった浦山桐郎監督の遺作に涙を禁じ得ない。

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