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ルパン三世 バビロンの黄金伝説 (1985)

監督
鈴木清順
吉田しげつぐ
  • みたいムービー 12
  • みたログ 446

3.03 / 評価:113件

ルパンの日常&非日常

  • カナボン さん
  • 2011年1月14日 23時04分
  • 閲覧数 1070
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

新春アニメ祭り第4弾は“ルパ~ン三世”でいきましょう。

今日のお題目は「ルパン三世/バビロンの黄金伝説」です。

これまた大好きなLupin the 3rd、この作品は劇場版3作目として作られました。しかし現在までのルパンムービー6本の中で最も評価がキツイ作品ですね。実際のところ6本の中では一番面白くないのは確か(笑)。

ただこれも「ルパンワールド」を端的に表わしている一本なんです。この作品の立ち位置を語る上で触れておきたいのが本作製作公開当時にオンエアされていたTV第3シリーズについて。
「ルパン三世PART?」全50回。若干子供向けに作られた第2シリーズを少しアダルト気味にライトな感覚で行こうと企画された新シリーズでした。しかし放映は毎週土曜の夜7時の日テレ。そう、この時間帯非常にシビアな現実が待っていました。それはナイター中継。

野球シーズンになると当然中継のため、順延になる。そのためなかなか視聴率の定着に繋がらなかった不運な作品でもありました。しかも当然当時は巨人戦ばっかり。ルパンファンかつアンチジャイアンツ(アチキはタイガースファンなのですw)の自分にとってはもうナイター中継がある度に恨めしかった(笑)。場合によってはまるまる一月、ルパンが放映されない時もありました。

その「PART?」でルパンが来ていたジャケットの色がピンク。第一TVシリーズと「カリ城」がグリーン、第二TVシリーズと「複製人間」が赤だったことはルパン好きならおわかりな筈。過去劇場版2作はいずれも第二シリーズ放映時に作られた作品でした。つまり最初の超傑作2本は最もルパンが脂の乗り切っている時に製作されたのです。TVシリーズの雰囲気が当時の劇場版に反映されることは当然。

まあ放映事情等の原因もあり、なかなか視聴率が定着しなかった「PART?」、しかし私自身この第3シリーズ結構好きでした。一話完結の構成は従来通りでも、ストーリーの多重構造など第2シリーズ異常に楽しめた部分も多々あった。何よりこのシリーズはオシャレでした。わざとらしい如何にも凝ってますよという演出は見当たらず、観ているこちら側の感性をタイトにしておかなくては見過ごしてしまうようなサラリとしたセンスの良さ、そしてスマートさ。ある意味モンキーパンチの原作に最も忠実な世界観を追求したのはこの第3シリーズだったとも言えると思うのです。

本作をご覧いただくと、ルパンの日常と非日常の描写がサラリと描かれていることに気づきませんか。クラブでもう好き勝手に人生を楽しんでいるルパン、殺し屋が何人現れようがてんで頓着しない。狙い狙われるのが泥棒さまの本分、劇中で苦労は絶えねぇ~とのたまうルパンですがこれは彼にとっては日常なんです。じゃあ、ルパンにとっての非日常とは何なのか、それはまさにこの映画のキーポイント。これがなかなか不評なわけですが、ルパンにとっての非日常というのはこれくらいしかないでしょう。

そのギャップをルパンがどのように受け止めるか。それこそがこの映画の肝。お馴染み銭形との追っかけっこなど、もうスラップスティック極まりない演出。そう、このライトな感覚、これがルパンの魅力の一つなのです。

あとどうしても書いておかなくてはならないのは、劇場版でこれが最後の山田康雄さんのルパンだということ。ルパンは007か寅さんかという有名な話があります。007はボンド役者が6人も変わりました。しかしそれぞれのボンド像が受け入れられています。片や寅さんは渥美清さんしか演じられない役でした。渥美さん以外の寅さんなど考えられない。じゃあルパンはどうか。この後の最初はOVAでその後劇場公開された第4作目「風魔一族の陰謀」という作品、主役の5人をすっかり入れ替えて作られたものでした。この作品については次回のアニメ祭りで書かせていただく予定ですが、一流の売れっ子声優を集めたにも拘わらず作品自体は当初罵詈雑言の嵐。つまりルパン達は代わりが認められない寅さんと同じということになった。確かに山田さん亡き後を継いだ栗貫の声は山田さんにソックリ。でもやはりこの作品を観ると微妙な言い回しが違うことに気がつきます。正真正銘山田ルパンの最後の劇場版ということでも貴重かと。

あと当時のアイドル河合奈保子が声優と主題歌担当で出演。これまた評判悪いっすねw。正直声優はヘタクソです。しかし当時のアイドルの中で最も歌が上手かったのは彼女でした。「マンハッタンジョーク」なんてタイトルの歌、まさに「PART?」の雰囲気そのままのナイスさじゃありませんか!

評価は低目ですが、ルパンファンであるならば決して駄作とは言えないと思います。まあ、塩沢ときやカルーセルの声はシャレとして受け止めましょう(笑)。

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