薄化粧

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薄化粧
3.7

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(15件)


  • cre********

    4.0

    いいですね、当方評価4.1点

    濃いですね、まさに日本映画。 緒方拳もいい

  • le_********

    4.0

    小型仏壇を持ち歩く殺人犯の女遍歴の行く末

    監督:五社英雄、脚本:古田求、原作:西村望、撮影:森田富士郎、編集:市田勇、音楽:佐藤勝、主演:緒形拳、1985年、124分、松竹。 留置所で、松井(大村崑)、真壁(川谷拓三)の両刑事に、妻(浅利香津代)と子の殺しについて厳しい取調べを受けても、坂根は一向に自供しなかった。ある晩、隠し持っていたカミソリで首を切り自殺を図るが、一命をとりとめる。その後、坂根は、床に穴を開け、掘り進み、脱獄する。以降、素性を隠し、ニセの名前を使って、各地の飯場を渡り歩く。身元がバレそうになると、また他の飯場へと移った。最初の飯場にいるとき、同僚の氏家(竹中直人)と飲みに行き、そこで、内藤ちえ(藤真利子)と出遭う。・・・・・・ 妻子を殺害した冷酷な凶悪犯、坂根藤吉(緒形拳)の生きざまを描いた作品で、緒形拳にとっては、『復讐するは我にあり』(1974年)に次いで、逃走する凶悪犯人を演じたことになる。両作品を比較するかぎり、こちらのほうがやや見劣りする。 『復讐~』のほうも、現在から過去に遡って描かれるが、過去のなかでは、さほど時間が前後しない。こちらは、坂根が脱獄したあとの現在と、坂根の過去が入り混じって描かれる。この脚本により、現在の至る坂根の自分史が一層明らかになり、また、映画として飽きがこない。 『復讐~』では、後半、浜松の宿に落ち着き、そこにいるハル(小川真由美)と懇ろになるが、それはいわば、下半身でつながる男女の間であり、凶悪犯・榎津はそのハルでさえ、簡単に理由もなく殺してしまう。 本作品では、坂根は女ったらしであり、いろいろな女に手を出すが、最後には、引っ越ししたちえの元に行き、情を交わしたあとも愛撫をつづけ、出会ったことに感謝の言葉さえ口にする。坂根にとってちえは、初めて出会う菩薩のような存在であった。だから、坂根はちえを殺さない。 それゆえ、坂根は初めて自分の身の上をすべてちえに話し、自分といっしょにいては不幸になるとして、ちえと別れる決心をする。ちえはそれまでに、坂根が凶悪犯だということを知っていたが、坂根を追って来た真壁にも、坂根を知らない、と嘘をつき、その後再会したことから、この幸せを逃すまい、と決意する。 やはり別れられないと決意したちえが、坂根を駅まで追って来たので、ちえを張り込んでいた真壁らは、自然に坂根ともようやく再会する。このラストは皮肉であり、坂根はちえが、自分を警察に売ったのではないか、という疑念の顔つきをちえに見せるが、ちえは、自分がここまで来たことで、警察を連れてくる結果となったことを後悔し、また、坂根と一緒に過ごすという理想は、破壊されてしまったことを思い知る。ただ、このラストの部分に、坂根とちえの台詞はない。線路を隔てたホームの上で、互いに向かい合ったままの顔の演技である。 薄化粧とは、あるとき、ちえが、坂根に施した化粧である。化粧といっても、眉墨をわざと濃く書くだけだ。手配写真の坂根は、眉も薄く悪党づらであるが、眉墨を濃く書き、メガネをかけると、別人のほうな顔になる。ラストで駅に向かうときも、坂根は、この「化粧」をした。ちえも同じような化粧をして駅に向かった結果が、上のとおりとなってしまうのである。 ロケや撮影場所も丹念に探したようすがあり、カメラのフレーム内や、望遠を活かした撮り方など、撮影についてもプロの仕事だとわかる。音楽がやや合っていないように思う。 坂根は、自分で殺しておきながら、小さな仏壇を買い、どこの飯場に行くときも、その仏壇を持ち歩いている。仏壇といっしょに、妻と子のしるしとして、小石を持ち歩いている。一方で、欲に駆られ、炭鉱では、労働者を鎮めてくれと使用者側から渡された大金を独り占めし、女を抱くカネとして使ってしまう。 キャラクターとして、統一感を持たせにくいので、監督や緒方は悩んだところもあったかと思う。多くの俳優や女優を見ることのできるのもうれしい作品だ。 大村崑や川谷拓三など、お笑いやヤクザ映画で知る俳優を刑事役に、藤真利子、浅野温子を汚れ役に当てたのも効果的だ。藤真利子は乳房を見せるが、いい役をもらったものと思う。

  • kaz********

    4.0

    ネタバレ昔の邦画の素晴しさ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • par********

    4.0

    もうひとつの『鬼畜』

    緒形拳といえば『鬼畜』の鬼気迫る演技が忘れられないが、こちらの「鬼畜」も凄味がある。無教養な男が、大金に目を眩ませ、女に狂い、手を血に汚しながら身を滅ぼしていくさまを描いていく。刑事が言う「いい女とさえ出会えていたらなあ」という言葉が忘れなれない。つまり「悪い女」が男を堕落させたという考えが作品の通底にあるが、しかしそれと母子と若夫婦の惨殺を簡単に結びつけて良いものかと少し考え込んでしまう。 過去パートと現代パートが交互に描かれており、「いま」どうして男が警察から逃げる羽目に陥ってるのかを「過去」編で徐々に明らかにしていくという構成で、男が泡銭から女を手駒にしたつもりが逆に手駒にされ・・という流れを性とバイオレンスを交えながら情けなく描く過去編は傑作と言っていいほど面白いのだが、それに比べて現代パートは凡庸な内容で、その落差が勿体無い。 「悪い女」に出会ったのが過去編、「いい女」と出会えたのが現代編という対比になっているのだけれど、「いい女」との掘り下げが甘いので単なる性愛のようにしか見えないし、何より過去編と現代編の男の変節ぶりが余りに不自然だ。二人が同じ人物として繋がらない。今と過去の橋渡しをうまくやれていたら良作だったのになと思う。 女に翻弄される男を見事に演じた緒形拳も素晴らしかったが、女優陣も同じくらいよかった。浅野温子・宮下順子・藤真利子・・・女性をエロティックに映し出すことに関して五社英雄に並ぶものはいない。

  • raz********

    3.0

    ネタバレ小さな仏壇と2つの石ころ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • kih********

    4.0

    金に狂い女に狂い、逃げ回り、何じゃこりゃ

     こりゃ『薄化粧』なんてもんじゃない。厚化粧も通り越して、変装だ。もっとも、化け粧と書いて化粧なのだから、字義の通りではある。薄いか厚いかの問題じゃない。  思わぬ大金を手にして人生が狂ってしまった。いや、金が無くてもこの男の場合は人生が狂い易かった。女に狂うのだから、本性はそっちか。  それにしても、緒方拳さんの精力ってのは並みじゃない。その方面で絶頂期の拳さんではあるが、五社監督が描く拳さんは、四国の『櫂』などに見られる絶倫男だ。彼の後年の『ミラーを拭く男』だったり、『長い散歩』だったり、通してみると、まるで個人史としてつながるから妙だ。  『列車に乗った男』という洋画がある。生真面目さだけで生きて来た人間が、ふと自分とは真反対の人間に入れ替わりたいという願望の話だった。こちら、拳さんの個人史というのは(映画の役柄としてのことではあるが)、ひとりで真反対の両面を生きているのがすごい。晩年の作品を知っているから、絶頂期の拳さんに、どこか願望にも似た共感が見え隠れする。『列車に』乗りたくなる。

  • tom********

    3.0

    藤真利子の美しさがやっと理解できました。

    ストーリーは、緒形拳演じる男が、犯罪起こして逃亡するって内容。 この男、なかなか非道な奴です。 でも、かっこよく描かれた部分があり人物像がつかみきれなかった。 特筆ものは、藤 真利子! リアルタイムで見てたころは「なんでこの女優は人気あるんだろう?」 って思ってましたけど(失礼ながら) この映画を見て理解できました。 すごく魅力的な演技をする女優さん(どんどんキレイに見えてきました) だったんですね。 ある程度の年齢に達した男性ならメロメロになるんじゃないでしょうか。

  • nao********

    4.0

    ネタバレ主人公の

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • yuichi

    5.0

    竹中尚人の演技

    もう何年も前に、初めてこの作品を見たときに、もちろん緒形拳や他の役者の 演技は素晴らしいが、まだこの頃、役者として駆け出しだった竹中尚人の演技に 驚かされた記憶があります。 女房に逃げられ、飯場の親分に苛められる情けない男の役を見事に演じていて、 この時、彼は今後、良い役者になるなと思っていましたが、その予感通り、 今では本当に一流の役者になりましたね。 しかし、五社英雄作品は、どれもいいですね。

  • aok********

    4.0

    伊代ちゃん、そんなに悪くなかったよ

    原作は宮尾ではなく西村望です。昭和55年の直木賞候補作品です。 西村氏は56年の直木賞でも「丑三つの村」で候補に挙がっています。共に映画化されてます。 昭和25年に別子銅山で起きた事件を題材にとった話です。映画ではものすごい凶悪犯な感じなので、死刑になったんだろうなと思うでしょう? そこが一応フィクションと演出のなせる技。実際は13年くらいの刑期で出てきました。 伊代ちゃん、爆笑とか書かれてたけど、私は頑張っていたと思いますよ。そんなに物語の邪魔になっていなかったけどなあ…… パッケージに出てるからスゴク主軸な役かと期待しちゃいますが、チョイ役なのは確かです。 今作のヒロインは藤真利子にて。 流転の末、この女に辿り着くのではあるが、私はこの映画のラストシーンが凄く好きだ。 緒形拳のまさに絶頂期。

  • oak********

    5.0

    宮尾・五社作品は面白い

     本作は宮尾・五社3部作には入らないらしいが、やはり立派な作品になっている。実話であるらしいが、改めて実話の凄さを感じさせられた。

  • peo********

    3.0

    下駄を買う男

    女房と息子を殺した罪で逮捕された外道が、脱獄して 飯場を転々としながら逃げ回る。 仏壇を持って。 本当は善い人なのか、いや、やはり悪い奴なのか。 刑事役の川谷拓三や殺された女房は「血も涙もない蛇」だって言ってた。 最後までわからなかった。 で、最後にわかった。 この男は女に下駄を買ってやるのが好きって生態の蛇だと。 善も悪もない気がした。 人間じゃないし。 最後に「これは実話です」って文字。 血も涙もない蛇と、打算的だったり愚かだったりそんな女達の情欲の物語。 なんとも嫌な気持ちにさせられる映画だった。 85年の映画だからかなり古くて、緒形拳その他の出演者の若さに驚く。 特に竹中直人ね。 まだ小僧っ子みたいだ。 なのに1人だけ今とまったく変わってない人が… 柳沢慎吾。 おかしい、この人だけ今と同じだ。 そして、どこにどんな役で出るつもりなの?って思った松本伊代。 1時間半も過ぎた頃出て来て、一挙一動に大爆笑させてくれた。 昔、1度だけ靴をプレゼントされたことがある。 悪い男に。 悪い男が1人で女物の靴を買う姿、想像するとその妖しさにドキドキする。

  • kee********

    5.0

    五社作品で最高かも

    極道の妻たち、鬼龍院花子の生涯、陽暉楼、北の螢、櫂、 吉原炎上、肉体の門・・ 五社英雄作品は数々あれど、本作が一番好きな作品です。 発破で民家爆破>刑務所で剃刀自殺未遂>嫁と息子の遺体発見>穴掘って脱獄・・・ 冒頭からスピーディーにショッキングなシーンが続きますが 脱獄してからが本当の物語のはじまりです。自らあやめた息子の冥福を祈り 仏壇を常に持ち運び、飯場での逃亡生活。それを追う刑事の執念・・・ 蛇のような凶悪犯に緒形拳、刑事役に川谷拓三・大村昆、ヒロインに藤真利子・浅野温子 みんな良い演技しています。

  • age********

    4.0

    竹中直人がいい脇役。

    逃亡犯の緒形拳と情婦の浅野温子の情交シーンが印象に残ってます。 一応マドンナは藤真利子なんですが・・・。 飯場でいじめられていた竹中直人が、緒形拳だけは彼にやさしかったんですが、 緒形拳が実は逃亡犯だとわかったとき、 「オラ何もいわねえよ」とかくまうシーンもよかった。

  • いやよセブン

    3.0

    藤真利子だけ

    主人公(緒形拳)は妻と息子、愛人とその夫を殺し、捕まるが脱獄、逃亡先で知り合ったのが、一人で居酒屋を営んでいる藤真利子。 主人公には情状酌量の余地がなく、お金目当てで近寄ってくる浅野温子や松本伊代も自業自得。 監督が五社英雄なので娯楽性はあるのだが、感情移入が出来ないのはもどかしい。

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