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鑓の権三 (1986)

監督
篠田正浩
  • みたいムービー 5
  • みたログ 32

3.31 / 評価:13件

侍・郷ひろみの魅力開花。

  • 晴雨堂ミカエル さん
  • 2011年5月21日 20時47分
  • 閲覧数 1006
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

 篠田正浩監督作で私のお気に入り時代劇はこれだ。華やかな元禄文化と破滅へ突き進むエリート武家の男女、近松門左衛門世界がよく出ている。
 また人気アイドルから渋みを効かせた男優へと舵をきりだした郷ひろみ氏の侍ぶりも評判だった。なんでも、篠田監督はまだ美少年アイドルだった頃の郷ひろみ氏を見て「この子が30歳くらいの大人になったら権三を演じさせたい」と思ったとか。
  
 藩で小姓(余談1)をしていた権三、文武両道に秀でた美男子。泰平の世、今以上の出世を望むなら鑓だけではなく茶道なども極めておかねばならない。奥儀を伝授してもらおうと茶道の帥浅香市之進が妻おさゐのもとを訪れる。
 夜に訪問するというのが誤解の元、しかも些細な事で口論になり、激昂したおさゐは権三の帯を奪い、自分の帯を解いて権三に女物の帯を締めろと怒鳴る。それを外から目撃した権三のライバル伴之丞が踏み込み、2人の帯を奪って真夜中の町を「不義密通だ!」と連呼しまくる。
 不義密通の汚名は市中に広まり身の破滅を悟った権三とおさゐは手元にある金を懐にいれるや着の身着のまま逃げ出す。家名に泥を塗られた浅香家はまず伴之丞の首をとり、権三たちを追う。
 
 今でこそ存在自体が「カッコ良いけど何か変」という二枚目半キャラだが、御存知のように50代とは思えぬ筋肉美、アイドル時代からストイックに鍛錬する芸能人だった。
 本作でも一見すると線の細い貴公子のようだが、片袖脱いだときに魅せる逞しい大胸筋と三角筋、道場で重い鑓を軽々と振り回す鑓の型、権三は鑓の使い手なので相当特訓したようである。
 ヒロインおさゐ役の岩下志麻氏とラブシーンも評判だった。不義密通の疑いをかけられ逃避行するのだが、長い逃亡生活をおくるうちに地位も名誉も失った2人は「夫婦(めおと)」として新しい生活を切り開こうと決意し「まぐわう」のだが、ベテラン女優とアイドル出身男優の共演に不釣合いさは無かった。(余談2)
 
 このころの郷ひろみ氏は苦悩を浮かべた破滅美が似合う。
 
(余談1)「小姓」は大身旗本や大名・将軍の側に侍り雑用をこなした役職。将軍家では将来の側用人(秘書みたいなもの)候補生であり、大名家では藩によって異なるが将来の家老・中老候補、大身旗本では将来の用人(家令か秘書)か、もしくは養子に出せなかった庶子の居場所。
 
 舞台となったのは現在の島根県にあった松江藩。従四位クラスの親藩大名が治めた。元禄時代は将軍家に等親が近い越前系松平家が領主。石高は18万石強。その大名家で表小姓をしていた権三だから、けっこう偉いさんだ。

(余談2)もし今リメイクとなれば、私は草刈民代氏と錦戸亮氏が似合うかなと思う。

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