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ゴンドラ (1987)

監督
伊藤智生
  • みたいムービー 19
  • みたログ 105

3.88 / 評価:85件

粗い展開の中から微かな妙味が醸し出される

  • sol***** さん
  • 2021年2月12日 19時27分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

これは各映画レビューサイトの評価点に助けられた映画。

当時としては斬新な映像だったのかもしれないが、単にとっ散らかった思い付きアイデアの切り貼りという感じの序盤は何がテーマなのか全く掴めない。
しびれを切らし一時中断し、3つほど映画レビューサイトの点数を見たら押しなべて良好なので、それだけを頼りに視聴再開。(以前は他者レビュー点数を参考にするなんて絶対に避けていたのにね。笑)

中盤になりいきなり列車で下北への展開には驚かされた。何の説明もないんだと・・・

しかし、その下北の展開こそ個人的に郷愁を呼び覚ますもの。
貧しいぼろ屋、中気当たりの爺、質朴な食卓風景・・

女児の入浴場面には「児童ポルノかよ」と幾分顔をしかめるが、おばあちゃんの垂れた乳房のヌードには自分の祖母が重ねてイメージされ心が揺り動かされる。
絵的にも年寄りおばばと女児が一緒の入浴場面は絶妙なハーモニーが感じられた。
※あの場面を絵にしたいっ、とさえ思ったが、現代だとやはり児童ポルノで問題視されちゃうかね・・・

そしてぼろ船を直して、死んだ小鳥の水葬で幕を閉じるが、そこにも何の説明もない。
でもそのエンディングの在り方にしみじみとした妙味がじわじわ湧いてきた。

現実的観点からは本作中盤以降のエピソードは女児誘拐であり、あの二人が東京に戻ったら何もなかったでは済まないだろうが、女の子がしっかり経過を説明できれば不問に付されそうなポジティブな想像も可能と思われた。

最後まで見て良かったですよ。3.3の三ツ星


追記:振り返れば本作は女性における幼体・成体・老体の乳房描写に、それぞれの精神の有様を象徴させたと言えるのかもしれない。
最初の大人母の乳房場面には「必然性あるのか?」と怪訝な気持ちになり、子供のヌードには上に書いた通りのネガな反応。しかし、血はつながらないがおばあちゃんの貫禄ある垂れ乳が描写されたことで、絵面的にもバランスがもたらされ、本作のテーマ的にも整合性がついたような気がする。
辛酸を舐め尽したようなお婆ちゃんの垂れ乳が真正面から描かれたことの意義は大きいと思う。というかそれがなければ深い琴線がかき鳴らされることはなかっただろう。あくまで個人的にだけれど。

詳細評価

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