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ダウンタウンヒーローズ

buc********

4.0

男達の このモサ苦しさがイイんですっ!!

一昔前の日本に確かにあったのであろう『青春』ってやつが詰まってます! 山田洋次監督作品は時代劇物しか観た事がなかった私には本当に新鮮でした。 時代設定は 戦後間もない昭和二十三年。 旧制 松山高校の男性寮で生活する学生達。 学生帽、長髪、ボサボサ頭、無精髭、下駄、袴・・・ 腹は減るが飯がない。 それでも男達の内に溢れる熱い情熱と熱気は冷める事を知らず 口を開けば夢を語り 友と激論を交わし合う。 ・・・そして最後はお決まりの 抑え切れない女性への興味(笑) それでもあの時代 簡単に女性とお付き合いをしたり デートをしたりなんてなかっただろう頃。 近くの女学校に通う生徒と道ですれ違うだけで もう尋常じゃない程のテンションの上がり様。 そして動揺・・・隠し切れない恋心・・・。 声をかける事すら出来ない程の純情さ・・・・。 だからって 男の本能が失われている訳ではなく 女性の乱れた寝姿を見ただけで 容赦なく溢れ出す・・・ 鼻血!!!(笑) いーですねー。 分かり易いなー。 男だなー。 そんな『男』!的なエピソードも笑えて好きでしたが あの頃に青春時代を迎えた人達が過ごしてきたであろう切ない恋が 本当に真っ直ぐで、どうしようもないくらい純情で・・・ 誰が見ても無条件に伝わる恋や愛の描き方の方がもっと好きでした。 この寮で生活を共にする男達の恋の対象となる女性は二人。 一人は娼婦役の石田えり。 もう一人は清純な女学生役の薬師丸ひろ子。 石田えりに恋する彼は、ワケアリの彼女を助けてあげる為 自分なりに出来る事・・してあげられる事をしてあげます。 それは勿論 愛があるから・・。 そんな彼が彼女への思いを友に打ち明けるシーンが涙を誘います。 ”この程度の事しかしてやれない自分が 彼女を愛してるだなんて・・・ こんな自分が彼女への『愛』を口にするなんておこがましい ” そんなような内容の事を言いながら咽び泣く男・・・ もらい泣きですよ。 皆さん!こんな謙虚な気持ちで誰かを愛した事ありますかっ? このシーン 本当に感動しました。 そして薬師丸ひろこさん演じる女学生に惚れ抜く男が二人・・・・ そう・・同じ女性を好きになってしまうんですね。 その思いを伝えようとする男と、胸の内に秘め続ける男。 さてさて 二人の恋の行方は・・・・? その後の男の友情は・・・? そんな男子寮で共に生活をする学生役の面々。キャスティングが見事! 柳葉敏郎・中村橋之助・尾見としのり・坂上忍・杉本哲太・武野功雄・・・ 有り余る情熱を抑え切れず「うぉおぉおーーーっ!!」と雄叫びを上げて 走り回り、男同士で抱き合い、半裸で走り回り、ぶつかり合う姿のモサ苦しい事と言ったら・・・(笑) でもね。いーんです。 それがたまらなくいーんですっ! とにかく熱くて不器用で 純情で繊細で真っ直ぐな男達の ”魂の叫び”みたいなのがギュギューッと詰まったクソ熱い作品です(笑) 所謂『バンカラ青春映画』と言われる作品を見るのは初めてだったのですが 高校3年間 武道系クラブのマネージャーを務めていた私には、 この男臭さが懐かしく感じられたからなのか 何だかとってもツボでした♪ いいですっ!

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