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華の乱

華の乱

139

たーちゃん

3.0

ネタバレ私は生き続ける道を選んだのでした

とても豪華なキャスティングでみなさん脂ののりきったとてもいい時期の作品です。吉永小百合さんや松坂慶子さんは女の色気があり、松田優作さんはギラギラし過ぎず大人の男性の色気があります。風間杜夫さん、石田えりさん、緒形拳さんとみなさんとてもいい評価をいただいていた時代です。俳優にも旬があって、みなさんとても画になる方々です。 時代は明治大正時代。政府の弾圧で自由な思想が憚れる時代。与謝野晶子(吉永小百合)、有島武郎(松田優作)、伊藤野枝(石田えり)、大杉栄(風間杜夫)、与謝野寛(緒形拳)、松井須磨子(松坂慶子)たちが時代の流れに翻弄されながら、自分たちの思想と愛憎が描かれています。 晶子の子供たちが自分たちを見捨てて、北海道に行った母を感じた子たちが晶子がおみやげに買ってきたクッキーをぶちまけて、それを叱る晶子のシーンがありますが、この時の吉永さんの芝居がいいです。親でありながら、恋人との逃避行のうしろめたさを感じながら、子供を叱る難しい芝居を演じていました。 でもこの時代の方って松井須磨子、有島武郎、波多野秋子、大杉栄、伊藤野枝と、みなさん自殺してしまう方が多いですね。 有島武郎と波多野秋子の心中は首吊りで心中するのですが、本当に首に紐をかけているので、ドキドキしてしまいました。もし事故があったら、どうしようかと思いました。 関東大震災後の荒れ野は本当にどうしたのというくらいの再現をされていました。美術スタッフの苦労が垣間見えました。 新劇の島村抱月役を蟹江敬三さん、のちに新国劇を立ち上げる沢田正二郎役を石橋蓮司さんとアングラ劇から出発してのちには商業演劇まで演出する蜷川幸雄さんと芝居をやっていたお二人が演じている事に制作者の意図が感じられるキャスティングでした。 ラストの方で思想犯で連行される和田久太郎役に内藤剛志さんが演じていました。今では主役もやられている方でもこんな役をやられていたんだなと思いました。 タイトルバックの一番最後でも使用されていた北海道での夕日の中での吉永さんと松田さんのキスシーンの画はさすが木村大作カメラマンと思うほどきれいな画面でした。

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