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会社物語 MEMORIES OF YOU (1988)

監督
市川準
  • みたいムービー 7
  • みたログ 77

4.04 / 評価:25件

多くの人が見逃しているポイント

  • otorima さん
  • 2020年2月26日 13時34分
  • 閲覧数 11
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

あらすじは、定年を迎えたサラリーマンが退職前にジャズライブを企画する。
ただそれだけ。
人によっては非常に地味な映画でしょう。
でもその中にいくつものドラマがあり、それらが丁寧にでリアルに語られているからこそ共感や感慨が生まれる。
私自身もあなたの人生も人が聞いたら地味だけど、自分としては激動で様々なドラマがあったのではないでしょうか。
子供の頃にこの映画を観て、素晴らしい名曲に聞き入りながら都会のサラリーマンの人生を思い描いたけど今観てもその感動は全く色あせていません。
これほどまでに”定年で会社を去る”という出来事を強く感じさせてくれる作品を他に知りません。
まだまだ定年には遠いですが、今でも花岡さんを思い返して、良い定年にする為に頑張らねばと思えるので若い人ほど観てほしい。

そしてもう一つの側面から観ると、実は”何も起こらない映画”ではなく最期に凄い事が起きます。
それはひきこもりの息子。
こういうひきこもりの子をよく知る人ならば、家族はいつ息子に殺されるか分からない、平凡な家庭には絶対にない”命の危険”を感じながら、自分を殺すかもしれない息子を養うというやるせない状態でそれでも働くしかない。
実際に自分がバットで得体の知れない人間に襲われたらどれだけショックを受けるか考えてみてください。
家とは一番安らげる場所であるべきなのに、家庭の外に安らぎを求めるしかない。
親父なら息子の成長や結婚を楽しみにするものの、一度ひきこもってしまえば基本的にその状態が一生続くと思った方が良い。
どんなに収入が高くても息子が稼がなければその分贅沢すらできません。
何を言ってるのか分からない、という方はきっと幸せな環境で育ってきたのでしょう。
実際の殺人事件も実は家族間で起こる事が多いのはこういう理由もありますね。

レビューにも、花岡さんが勝ち組過ぎて今の世知辛さからするとかわいいもんだ、という人はこのポイントに気付いていないのでしょうが、この花岡さんに限っては内心は地獄だったと思います。
他の人からは、のんびり生きている、たいして苦労してない、と見られてしまうのも社会を表しているのかもしれません。
それを踏まえて観てもらうと、あのシーンの花岡さんの革命的な凄さに気付いて貰えるんじゃないでしょうか。


最期のあの表情に数十年の思いが込められていると思うと、そしてハナ肇とクレイジーキャッツ映画は何十本も作られた後の全員が揃った最後の作品だと思うと、素直に”花岡さんかっこいい…(涙)”となってしまうわけです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 切ない
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