合戦シーンはある意味おもしろい。
- frk***** さん
- 2020年11月29日 20時49分
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まあ確かに、評判通りの映画だとは思うが、最後の合戦シーンはそれなりに面白かった。昔の合戦は実のところ、歩兵や騎馬隊の動きが俯瞰的にはよく分からない。合戦図の説明も具体的な動きがいまいちイメージできないし、通常の映画やドラマの合戦シーンも局部的な描写を連続させているものが多いので俯瞰的な動きが理解しにくい。その点では本作は、今まで観た合戦シーンの中では随一の分かりやすさだ。大金を掛けた角川春樹の所業にも最低限の意味はあったのだ。ただ自分の苗字が上杉ということもあり、子供の頃からこの川中島の合戦は好きで好きで堪らないのだが、残念ながら50代になった現時点での結論は、この映画で描かれているような合戦のプロセスは「おおむね作り話」ということになる。残念だがそう思わざるを得ない。謙信が本当に妻女山に登ったのかどうかすら、怪しいと思っている。そもそもこの合戦が100年後の江戸時代になるまで有名であったのは「とにかく激戦であった」からだ。激戦であったことだけは、この合戦を知る関係者から始まって100年ものあいだ語り継がれていた。その伝説に具体的なストーリーを与えたのが「甲陽軍鑑」というフィクションなのだろう。ではなぜ激戦になったのか。普通に考えて、天下分け目の関ヶ原でもなく、互いに命運を掛ける必然性のないローカルな小競り合いで激戦はあり得ない。他の合戦と比較して異常に多い戦死者など出す理由は謙信にも信玄にもない。だからやっぱり、霧だろうなあ。この映画でも描かれている濃霧で、両軍が近接していることに気づかず、霧が晴れたら、目の前に「あらま、敵じゃん」。で両軍パニックになって壮絶な殺し合い。まあこれが一番可能性が高いよなあ。残念だけど。
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