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夢二

夢二

128

たーちゃん

1.0

ネタバレ待てど暮らせど来ぬ人を、宵待ち草のやるせなさ

分かりにくいストーリーをもっと難解にするために、表現しようとしているとしか思えない演出をされている作品です。 これが清順流と言うべきなのでしょうか。 最初の夢二(沢田研二)と女郎(余貴美子)のやり取りからして、分かりにくいです。 紙風船。後ろ向きの振袖の襦袢の宙に浮いていている女性。誰かにピストルで撃たれる。(これは金髪の髪の色からして、のちの脇屋(原田芳雄)なのでしょうか?顔も表情もわからず、声も抑えめ)。 それは幻想なのか夢二がひっくり返ったところに女郎からのキセル。 ここで金沢に向かうのは彦乃(宮崎真純)との駆け落ちをするという事と、夢二が絵描きであるという事と、女好きという事。この三点が分かれば良いだけだと思うのですが、変な撮り方をしていてわざと混乱させようとしています。 駅のホームも同じホームでなく、向かい合わせのホームにいたり、柱に浮かぶ夢二の絵。それも男女の交わりを描いた春画。変顔の女郎。女郎の股に手を入れて歩く夢二。抱かれている女郎。その時にも夢二の顔にペインティングした顔など、何を表現したいのかが分からない描写が続きます。銭湯の芸者さんとお相撲さん。お相撲さんは弟子を殴ったりして、夢二が驚く表情を見せます。 ただここでも駆け落ちの相手の彦乃と銭湯の時間を彦乃に付いているお手伝いさんだけ銭湯に行かせて、夢二と彦乃の密会の時間を設けるという事だけを表見すれば良いのに、分かりにくくしています。 金沢に行く道筋も駅弁の包み紙を並べて撮影して、それで東京から名古屋回って米原に行って金沢というのを表現していました。 脇屋巴代(毬谷友子)との出会いも湖に浮かぶ黄色いボートに湖から突然出てきた夢二にボートを押されるシーンなど最初モーターボートの様に走るボートが赤い空間のところに来たら、水から夢二が上がってきます。こんなのわけわかりません。何で夢二は水中にいるのか。ボートが早く走っていたのか。謎です。 その後の脇屋家の居間で巴代から湖に牛の屠畜場からの血が流している事。主人の脇屋は湖に沈んでいるのではないかという事などを聞かされます。 そこでも夢二が巴代をスケッチしようとするといきなり庭にいたり、いきなり夢二が叫んだり。 いきなり夢二が全裸になったり、巴代をスケッチしているはずなのに、別の全裸の女性がいたり。何だかわけわかりません。 結局は巴代の夫の脇屋は大富豪のお坊ちゃんで鬼松の妻と出来てしまい、それを見つけた白岩松吉(長谷川和彦)が脇屋を殺し、湖に沈めたという事。なので、巴代は毎日湖にボートを浮かべて脇屋の遺体を探しているという事。実は脇屋は生きていて、別邸で生活していた事。 彦乃が金沢に到着した時に金沢駅で倒れてしまい、それを偶然居合わせた脇屋が助けて脇屋の世話になっているという事。 彦乃が倒れたシーンだって、倒れているのは見せずに群衆が集まっている中から彦乃が現れるとしているので、ちゃんと見ていないと倒れていたというのはわかりません。 分かりやすくすれば良いのに、何でしょう。 最初に赤白のロープで引っ張って脇屋が出てくるシーン。これがファーストシーンと重なるのでしょうか。 彦乃のメッセージを渡しに来たお葉(広田玲央名)が大根と一緒に足を洗われ、鍋に入れられて煮られます。これって何を表現したいのでしょうか。 花嫁姿の若い巴代。夢二にスケッチされる時に片袖を外して、カバンにしまう夢二です。 お葉が働く事になったカフェ「宵待草」で脇屋に会う夢二です。 その「宵待草」は脇屋が自分の別邸に作ったもので、実在のものではなかったのです。 脇屋が家に戻りますが、巴代は脇屋を認めようとしません。 ボートの巴代に湖からボートに上がる事によって、自分を認めようとさせる脇屋です。 脇屋の復活祭の片方で夢二に自分の絵を描かれる巴代。(復活祭はまっ赤のバック、絵を描いているバックがまっ青の対比がカッコ良いです) 再び脇屋を殺しに来る松吉ですが、夢二たちと話しているうちに殺意が消え、逆に自分の自殺を手伝って欲しいと言います。 首を吊った松吉の足を引っ張る巴代でした。 その時に着ていた襦袢に夢二が描いた絵が描いてあり、偶然すれ違った彦乃は夢二との別れを感じるのでした。 夢二は思います。「誰を待っていたのかな。私は誰を待っていたのかな」 もしかしたら夢二は彦乃ではなく、昔から巴代を待っていたのかもしれません。 という話かなと思います。 一事が万事その調子で、登場人物たちの登場シーンや会話のやりとりのセレクトがおかしいのと、余計なシーンやカット、それも幻想的なものが多いので本当にわかりにくいです。 最初見ただけでは、何が何だかわからなくて。5回見てそれでも分からなくて(途中で寝てしまったりして)、レビューを書くのを諦めようと思いました。ただ6回目できちんと見るのを止めようと思って、流して見ていたら何となくわかってきて、という作品でした。 違っていたら、スミマセン。 淡谷のり子さんのラストの曲「宵待草」良いです。

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