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シコふんじゃった。

Kurosawapapa

4.0

“ユートピア論” 構築の妙☆

フランスの詩人、ジャン・コクトーの相撲についての一説から始まる本作。 『 力士達は、桃色の若い巨人で、シックスティーン礼拝堂の天井画から抜け出してきたような、類稀な人種のように思える、、、 』 この冒頭で、周防監督は、 リアルな世界からトンッと1段階変化させ、ユートピア論を展開していく。 スポ根ものでありつつ、コミカルで、リリカルで、空想的。 「Shall We ダンス?」にも通じる監督ならではの世界観構築の妙。 非現実的であっても、見る側は自然とこの世界に染み入ることができ、 それゆえ、見ていて素直に笑い、感動が湧いてくる。 ・バストショットで短いカットを連ねた会話シーンの小気味良さ ・スポーツものの快哉パターン、その王道を外さない巧み そして、特筆すべきは、やはりピタリとはまったキャスティング ・モックンの清々しさ ・竹中直人の爆笑演技 ・2人にスカウトされる田口浩正の哀愁 裸の肉体にまでこだわり、最大限個性を活かした配役が、見事に功を奏している。 プロレスのような相撲があったり、女性が土俵に上がったり、 相撲関係の方が本作を見ると、苦言を呈してしまうかもしれませんが、 そこはユートピア論。 見始めた本を、「あー、面白かった!」パタッ!と閉じることのできる、 そんな作品☆ 自由・独特な空間を作り出す周防監督の手腕、 見事です!

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