レビュー一覧に戻る
シコふんじゃった。

a_h********

4.0

ネタバレ美しいケツ

スマイリーが満を持してアンダーウェアを破き捨て、土俵にあがるときのケツの美しさ、カッコよさときたら!!!! この映画は単純にコメディとスポ根の合わせ技として優れているだけでなく、相撲という競技に対する敬意もちょっと入っているところがにくい。 冒頭のジャンコクトーの引用に象徴されるように、相撲は国や文化をこえた普遍的な美しさをもつスポーツである、という作り手の自信が根底に流れている。 先にあげたようにここぞというところでケツだしも辞さぬ"外国人"スマイリーがヒロイックに活躍するのも、最後に主人公がまばゆい光の中で戦うバックにこの引用がふたたび読み上げられるのも、それゆえだ。 (とくにこのシーンは本木雅弘という彫刻みたいに美しい役者をつかっていることがきちんと活きて、すごく綺麗。必然性のあるキャスティングだったんだなと感心させられた。) ミッション系の大学を舞台にしていたり太った部員がキリスト教徒だったりすることも、せまい日本的視点からでなく、より普遍的視点から相撲を描くのに一役買っている。 そんなわけでスポ根ものの単なるいちバラエティーとして、安直に相撲を選んだわけではないんだな、と納得できるこだわりが感じられる。 野球やサッカーなら決して生まれえないドラマが描けているから、"相撲"が題材である必然性がある。 あとこうして観てみると単純に、相撲というのは映画に向いたスポーツなんだなと思った。 一瞬の駆け引きで勝敗が決まったり、じりじりと押しつ押されつしたり、観ていて思わず力が入るような熱い勝負のバラエティがいろいろある。 そういう意味でもここに目をつけた周防さんはやはりすごい。 またチーム戦なので、もう後がない、という段になって勝利したときのカタルシスが大きいので、ここに感動しどころをうまーくもってくることに成功している。 勝負をきめる大将戦はもちろん、たとえばスマイリーがはじめて土俵にたつ勝負しかり、そのあとの竹中直人先輩の奇跡の勝利しかり。 あと地味なところだと、帯に色をつけて彼我の選手を見分けやすくしたり、という工夫もある。 キャラクターたちも主人公、弱い先輩(竹中さん若いときの顔が今とちがいすぎ)、外国人、臆病なふとっちょ、ひょろい弟、女子マネージャー(このひとの演技が素人くさくていいスパイスになっている)、いつの間にかやる気になってる冷静沈着で頼もしい顧問、マドンナ、などなどそれぞれ個性的。 小津っぽい顔のアップをつかってのちょっとはずした笑いもたのしい。 そういえば音楽が控え目なのも品がよくて、古い映画みたいでいい感じだった。 気持ちよく笑えて、ここぞというところで盛り上げてくれて、少し感動もできて、言うことなしの娯楽作。 周防監督はやっぱりすごい。 ただひとつだけ難をあげるなら、ラストで本木くんが一流企業の内定をけってまで相撲部に残る、というのはどうかと思った。 そこまで本気でのめりこまれてしまうと、ちょっとこのひとの先行きが心配になる笑 昔はこんな感じでもなんとか就職できたんだろうか?

閲覧数1,101