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シコふんじゃった。

たーちゃん

4.0

ネタバレふんどしではなく、まわし

周防監督の名前をはじめに意識したのはこの作品だった記憶があります。 何年かぶりの鑑賞でしたが、とても楽しむ事が出来ました。 映画っていうのはこういうわかりやすいストーリーが一番大切だと思います。 大学の卒業単位を取得するために嫌々大学の相撲部に入部した山本秋平(本木雅弘)を中心に、弱小相撲部を二部リーグ昇格するまでの奮闘記です。 ですが本木さんの役は決してヒーローではありません。どちらかといえば、相撲は弱く、他のメンバーと一緒に成長していきます。 唯一の相撲部員だった青木富夫(竹中直人)。太っているというだけで勧誘された田中豊作(田口浩正)。秋平の弟でプロレス部から転部してきた山本春雄(室井誠明)。まわしの下にスパッツを履く事を条件に入部してきたジョージ・スマイリー(ロバート・ホフマン)。相撲部マネージャーの川村夏子(清水美砂)と春雄に憧れてマネージャーになった間宮正子(梅本律子)。相撲部顧問で元学生横綱の穴山冬吉(柄本明)。 それぞれのキャラクターがきちんと設定されているので、弱小相撲部という設定を与えた時に生き生きと行動していきます。 無理やりでないので、ストーリーの中に自然に溶け込んでいました。 そこに事情や状況をうまく入れることによって、表現していました。 相手の顔を見ると普段の力が出せない田中。まわしをしてお尻を出すのを極端に嫌がるジョージ。大事な場面になると緊張してお腹を痛くなりトイレに駆け込む青木。それぞれがそれぞれの抱えている事情に追い込まれていきますが、それを克服していきます。 特に竹中さん演じる青木がトイレを我慢しながら、試合に出て慌ててトイレに駆け込むシーンは笑えました。 特に困難な状況だったのは、春雄が試合で腕を骨折してしまい次の試合に出られなくなった時です。最小人数でやってきた相撲部にとって、一人の欠員は致命傷になります。 そこで立候補したのが正子でした。春雄の代わりに試合に出場するといいます。ただ相撲は女性の参加はみとめられていないので、どうやって乗り切るのかが見どころでした。 登場した正子は髪の毛を相撲取りのように髪をひっつめ、胸の部分は腕が負傷しているように見せて胸から大きい包帯で見えないようにしていました。 ですがまわしをきちんとつけていて、お尻は見せていました。 これで何とか乗り切りますが、結果的には負けてしまいます。そこに急いでかけつける春雄。とても感動的なシーンでした。 困難を乗り越えて二次リーグ昇格の試合に勝ちます。 ですがみんなはそれぞれの選択をして旅立っていきます。 青木も卒業年度で、引退をしてしまいます。 そこに残るのは山本秋平でした。 就職のために相撲部に入ったのにも関わらず、来年度まで相撲部に残るのでした。 秋平はズルしないで、生きる事にも目覚めたようです。 サクセスストーリーとは違いますが、主人公の成長を見る事ができました。これがとても大切な事で、映画を見終わったあと主人公とともに成長出来たように思えるのは大切な事です。そういう意味ではわかりやすく、爽やかな気分にもさせていただける作品でした。 小さな役でみのすけさん、大堀こういちさん、手塚とおるさん、三宅弘城さんなど小劇場系の役者さんたちが出演されていました。

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