あふれる熱い涙
あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(3件)
- tos********
3.0点
ルビー・モレノの泣き顔。佐野史郎と戸川純の抱擁。 ジャケットを見てたら借りずにはいられなくなった。 フィリピンから来た農村花嫁の苦悩や葛藤を描く社会派映画。 岩手県の農村に契約で嫁いできたフェイ(ルビー・モレノ)は、 日本に行けば幸せになれると信じていた日比混血の娘。 しかし、冬の厳しい寒さ以上に、食事の時ですら一言も話そうとしない 夫・昭一(鈴木正幸)の寡黙さと、ただ働くだけの毎日はフェイの心を凍らせていった。 そんな日々に耐え切れなくなったフェイは、 東京・新大久保の中華料理店で働く友人を頼って家出。 フィリピンへ帰る旅費を稼ぐ為に住み込みで働き始める。 そして、隣の部屋で同棲をする奇妙なカップル、 大学講師の国分(佐野史郎)と麻美(戸川純)に出会う。 このあたりから徐々に映画の焦点がボヤけてきてしまう。 フィリピンにおける商社の悪行三昧、コンクリート詰め殺人事件、写真週刊誌の横行と 社会問題をズラズラ登場させてしまったために肝心の農村花嫁問題が、主役ではなく たくさんの社会問題の中のひとつになってしまった。 愛し合ってはいけない男と女。 戸川純と佐野史郎の苦しく切ない恋愛。 愛していることをうまく表現できない男と女。 ルビーと鈴木正幸の不器用で切ない恋愛。 いっそのこと社会問題を絡めながら、二つの話を別々に撮ったほうが良かったのではないか。 「もったいないなぁ…」というのが正直な感想。 しかしながら、悪いことばかりでもない。 金八先生の、よくしゃべるお巡りさんで御馴染み「鈴木正幸」の演技は素晴らしい。 あのキャラとは正反対である東北の豪雪地帯に生きる寡黙な男を見事に演じきった。 そして、ラストシークエンスは秀逸。 ルビー・モレノ演ずるフェイの泣き顔に、この映画のすべてが集約されている。 その泣き顔を通して語られる日本人の奥ゆかしい優しさは痛いほど切ない。 残念ながら、最後まで映画の中へ入り込めなかった。 それでも気付かされる。 「人は誰でも愛されたいのだ。そして誰かを愛したいのだ」と。
- aok********
4.0点
じゃぱゆきさんとは、日本へ出稼ぎに来る東南アジア女性の事である。 東南アジアへ出稼ぎに(主に娼館)行った、19世紀後半の日本人女性“からゆきさん”から転じた言葉である。 じゃぱゆきさんは70年代に急増した。彼女達の多くはエンターティナーとしてタレント契約で日本に来たが、多くの女性が風俗へ流れたり、売春強要や、暴力団の介在での被害、違法滞在など様々な問題が起きた。 当然、日本人の男性との間の子供を身ごもった女性が何十人といる(何百人かも) と、その何十年位の後に、父親探しに来る子供が存在するわけで、この映画の主人公は父の国に幸せを求めてやってきたジャピーナと言われるハーフだ。 風俗へ流すのが当然ってな時代から、更に時は流れ、現在は農村の嫁不足に他国から花嫁を斡旋するってなビジネスがある。主人公フェイ(ルビー・モレノ)はこれにもあたる。 しかし、農村暮らしは苦しい。夢描いていた生活とは大違いだと、彼女は逃げだし、父を探す事にする。 新大久保で出会った禁断のカップル(内容は書かないっす)佐野史郎&戸川純との色々もあり、なんだか社会問題てんこ盛りの話になっていますが、 最後の最後に、本当に 「ああ、苦しかったけど(色んな意味で)最後まで観て良かったな」 と、思えるラストがある映画です。 どなたかが書いてましたけど、本当、深夜映画って表現がピッタリの作品です。 前述したような社会問題や、事件の裏側を読み解くもの(例えば山本譲司氏や奥野修司氏の著書など)に興味を覚えた方には向いている映画かなとは思います。 癒しとか、笑いとか、そういうモンは全く存在してない重めの映画です。
- tak********
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。
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