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課長 島耕作 (1992)

監督
根岸吉太郎
  • みたいムービー 5
  • みたログ 49

2.89 / 評価:9件

原作ファンだが再現度の高さに大満足

  • yuki さん
  • 2017年11月24日 13時58分
  • 閲覧数 721
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

実写映画化された『課長島耕作』だ。悲しいことに知名度は全く無い。

大泉専務・宇佐美専務の覇権争いを中心に、原作の初期エピソードを再構築している。構成がうまく、島耕作の世界を分かりやすく観客に提示しつつ、原作にとても忠実な脚本なので、一見向けでかつ原作ファンも納得できる内容になっている。一方で別個のエピソードを数珠のように繋げているので、原作未読者には却って物語の流れが理解しづいかもしれない。

島耕作の世界を固める配役が素晴らしい。原作を読んだ人なら、その人物が誰なのか、顔をひと目見ただけで分かるはずだ。とくに好印象だったのは津川雅彦演じる大泉専務。尊大で食えないが人間味のある難しいキャラクターを好演していた。樫村健三はヒット前の豊川悦司。島耕作の世界の中でもとくにクセのある人物だけど、原作以上に印象的なキャラクターになった。
そして第一部に欠かせない人物、馬島典子を演じるのは麻生祐未だが、これが素晴らしかった。妖艶さ溢れる惚れる演技で、なるほど会社を捨てたくなるのも理解できる。この映画は彼女の魅力によって成り立っていると思った。因みに若き坂上忍も出演している。

問題は主人公、島耕作を演じる田原俊彦だ。まず顔は似ても似つかない。プレイボーイ、エリートなイメージとも合わない。年齢は島耕作とほとんど同年齢だったらしいが、とても同級生とは思えない。なぜ一概のサラリーマンにアイドルを配役しようと思ったのか、世紀のミスキャストである。
しかし人好きする感じだけは出せているので、それが何とか物語を成立させているように思えた。それにやたら島耕作が女にモテるのにも説明がつく。そりゃジャニーズが会社員ヤッてたらモテるだろう。

弘兼憲史の漫画が描くのは、男の弱さだと思う。彼はマッチョイズムの企業社会を描いていると思われているが、彼が本当にみつめているのは、その裏でみっともなく泣く男の姿なのである。
男とはこんなに弱いんだ、ホントはこんなに脆いんだ、でも泣けない。対面だけで生きているのが男なのだ。人に弱みを見せられない男の世界、ゆえの脆さというのを、彼の漫画は描いていると思う。

この映画はそのポイントをちゃんと理解していてる。この映画では大泉も宇佐美も樫村もみんな泣く。おいおいと泣く。泣かないのは島だけだ。

映画としては物凄くみみっちい作品である。サラリーマンが左遷される過程を二時間使って描くスペクタル感皆無の映画だ。でも間違いなくコレは「島耕作」の作品だし、きっとファンなら満足できるのではないかと思う。

詳細評価

物語
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