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まあだだよ

普段オラトリュフを!

4.0

ネタバレ「先生」が面白い

「先生」とその教え子(といっても皆中年だが)の絆を描いた作品。 まず、この「先生」が変人である。雷が怖くて布団を被って丸くなったり、泥棒用の案内を部屋に貼ってみたり・・・。(泥棒休憩室まで用意している!)この役を松村達雄が好演している。 そんな「変人」だからこそ、「先生」を祝う会の名称が「摩阿陀会(まあだかい、先生がなかなか死なないことから名付けられた)」。しかし「先生」自身がが喜んで「まあだだよ」と言ってしまう始末。この「摩阿陀会」で印象的なのは、「駅名を言い続ける男」。他人がスピーチしていても、全員で何かやっていても、周囲に誰もいなくなっても言い続ける。時々思い出したかのように映りこみ、かすかに駅名が聞こえてくるのが面白い。 最後は「先生」の夢で終わる。そのシーンを観ていると、なんとなく同監督の「夢」を思い出す。最後は夕焼けのような空で物語が終わる。それはまるで「先生」の、そして黒澤明自身の人生の終わりを意味しているようである。

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