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デ・ジャ・ヴュ (1987)

JENATSCH

監督
ダニエル・シュミット
  • みたいムービー 5
  • みたログ 24

5.00 / 評価:2件

過去と現在が交錯して…

  • bakeneko さん
  • 2014年8月20日 7時21分
  • 閲覧数 363
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

中部ヨーロッパ史の謎とされる“イェナチュ暗殺”に材を採ったダニエル・シュミットの歴史探訪幻想譚で、17世紀の暗殺事件について調査しているジャーナリストである主人公が、時間軸を超えて過去の世界に接触する現象を流麗な映像美と寡黙な展開の中でロマンチックに描いてゆきます。

スイスの歴史上有名な“ユルク・イェナチュ(Jürg Jenatsch)”は、三十年戦争(1618–48年)時期に、グラウビュンデン州で活躍したプロテスタント系牧師兼政治家で、
フランス軍の力を借りて赴任地のヴァルテリーナから、スペイン・オーストリアを追放する事に成功する一方で、1621年夏には、ローデルスの城で、政敵の党首の暗殺に参加しています。
やがて、イェナチュは、本来の敵であったはずのドイツ・オーストリア側にも接近して、血みどろの政争の中で、彼は着実に富と地位を築いていきます。更に当時は、スイスの一部でありながら、ドイツ帝国の支配下にもあったダヴォス(Davos)の市民権を取得し、カトリックに改宗して、ドイツ皇帝に称号と領地の取得を働きかけていて、その態度の豹変と成り上がりぶりが、周りの政治家やスイスの貴族たちの反感を買った為に、貴族への叙任を待つばかりだった1639年1月21日、カーニバルの宵にレストランで食事をしている最中に暗殺されています。
この史実は、“カーニバルの宵、仮面を被った暗殺者たちによって行われた悲劇”として、マイヤー(Conrad Ferdinand Meyer)による小説『ユルク・イェナチュ(Jürg Jenatsch)』で更にロマンチックに脚色され、ドイツ語圏ではよく知られるようになったのであります。

この現在まで延々と“墓探し&暗殺の真相究明”が百家争鳴状態の事件を題材にして、主人公が“しばしば当時の次元に入り込む”という次元の交錯を物語の核として、現在と過去を接触させて魅せる作劇となっていて、“暗殺時の衣服に付いていたボタン”を重要な鍵とした“巻き込まれ歴史ミステリー”を展開していきます。
日本で言えば“戦国時代にタイムスリップして本能寺の変の謎を目撃する”様なお話で、現在と過去がすり替わる際の極自然で絶妙な映像感覚に酔わせてくれます。
過去世界の麗人:キャロル・ブーケも美しさが絶頂の頃で、中欧の森を捉えた映像美の中世の暗さと神秘性を肌で感じつつ、歴史の真相を探訪する結果…を注視する映画で、ちょっと予習してから観ると面白さ&ロマンチックさが倍増しますよ!

ねたばれ?
オチは、ドラえもんなどでお馴染みのタイムパラドックスでしたね♡(まあ、現実的な犯人を特定指名すると宗教がらみでややこしいことになるからなあ)

おまけ―レビュー項目にないドイツ映画の感想を、

「ハラキリ:Harakiri」(1919年ドイツ80分)監督:フリッツ・ラング
ドイツ語でも“Harakiri=ハラキリ”
「メトロポリス」でも、“快楽のネオン街:ヨシワラハウス”を劇中に出現させた―事象東洋通のフリッツ・ラングのサイレント時代の怪作で、オペラ“蝶々夫人”を元にして、民族博物館から多数の衣装や小道具を借りて“どこにもない日本(中国がかなり混ざっている)”を創り上げています。

もちろん出演者は全てドイツ人で、
ヒロイン“おたけさん”を演じる:リル・ダゴファーは日本娘にしては彫りが深いですが、なかなかの美人でドイツ人にしては華奢な雰囲気で頑張っています。
物語は、前半部分にヒロインの父親が“外国かぶれ”の汚名を着せられて切腹させられた後は、ほぼ“蝶々夫人”と同じですが、相手役の名前がピンカートンがアンダーソンに、オペラでは叔父のボンゾ(坊主)が、血縁関係のない敵役となっていますし、同様にヒロインに求婚する“ヤマドリ公爵”が“マタハリ王子(笑)”と変えられています。
なかなかの珍品で、オペラを元にした映画なのにサイレントなので歌のない作品となっていますが、流石にラングは緊張感を保った演出をしていますので、当時の欧州人の日本観を興味深く見せてくれる映画であります(you tubeで、“Madame Butterfly Harakiri 1919 Fritz Lang”で探すと全編鑑賞できます )。

ねたばれ?
長崎に吉原が?!(ていうか、御茶屋と遊郭の区別が出来ていない)

詳細評価

物語
配役
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映像
音楽

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