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RAMPO インターナショナル・ヴァージョン (1995)

監督
奥山和由
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2.44 / 評価:9件

羽田美智子を撮りたかっただけ?

この映画は、黛りんたろう監督が一度完成させたにもかかわらず、納得できなかったプロデューサーの奥山和由が、自らがメガホンを取って大幅に撮り直した結果、黛版と奥山版の二本が公開された大変珍しい映画。
両方とも粗筋は全く同じ。竹中直人演じる江戸川乱歩が、自分の作品から抜け出てきたような謎の女性、静子と出会ったことから、自らが作り出した虚構と現実の狭間に迷い込んでいくという物語。
黛版と比べて圧倒的に豪華な映像、スタジオ4℃が手がけた「お勢登場」のアニメなどの違いもあるけど、最も大きな違いは、お勢と静子の二役を演じている羽田美智子の扱いで、彼女を取り直すことが目的だったのは一目瞭然。おかげで、奥山版の羽田さんは例えようのない美しさだ。
実際、この映画を見に行ったのも、羽田さんがカメラに向かってお辞儀をするシーンをテレビCMで見てゾクゾクしちゃったから・笑。(因みに、このCMは最高。思わせぶりなカットの連続ですげぇ期待しちゃいましたよ)
更にこの国際版では、あの千住明を音楽担当に迎え、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団まで起用して音を録り直している。奥山和由渾身の一本といったところだろう。
でも、作品の完成度としては黛版の方が(多少)上だ。
理由は、奥山さんが作家では無いからだと思う。「屋根裏の散歩者」や「D坂の殺人事件」を撮った実相寺昭雄は、乱歩の倒錯した性描写を見事に映像化していたが、この奥山版「RAMPO」は、表層のデザインが優れているだけで、倒錯的な映像もただのエロティックな装飾でしかない。わざわざ撮り直した羽田さんも、1シーンごとに綺麗なだけで、黛版には見受けられた人格がすっかり抜け落ちている。本木雅弘が演じている明智小五郎も、乱歩の分身という役目以外なにも果たしていない。黛版には登場しない映画プロデューサー役の三浦友和が唯一人間くさい人物で、変態侯爵役の平幹二朗も上滑りな印象になっている。
突き放した感想としては、この奥山版は乱歩をテーマにした羽田さんのイメージビデオだ。とにかく極上の羽田さんと、たぶん過去の乱歩作品の中で最も格好いい明智小五郎が見られるだけが見所の映画。
傑作と呼べるのは、冒頭の「お勢登場」のシーンぐらい。実のところ、このアニメのシーンが、映画の中で最も乱歩を感じることができると思う。ここだけ短編映画として公開しても良いぐらいです。
ただ、やっぱりDVDかBDで出していただきたい。この映画の羽田さんが見られなくなるのは大変惜しい。この映画の姉妹作品的な「人でなしの恋」と共に再販されることを切に願います。

羽田さんのハンパ無い美しさと千住明の素晴らしい音楽、スタジオ4℃のアニメに免じて星3つ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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