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深い河 (1995)

監督
熊井啓
  • みたいムービー 25
  • みたログ 49

3.12 / 評価:17件

遠藤周作さんのご意見は?

  • 阿智胡地亭 辛好 さん
  • 2007年1月17日 11時39分
  • 閲覧数 2599
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

遠藤周作と言う作家は阪神間で高校時代まで育った作家だ。「狐狸庵系ユーモア小説」と「“日本人にとってのカソリック”をテーマにした小説」が2本柱になっている。母親がクリスチャンだった遠藤は生まれてすぐクリスチャンになった。彼は生涯、日本人である自分にとって「キリスト」とは何かを考え続けていた。「深い河」はその遠藤が70歳で書いた最後の長編小説だ。

秋吉久美子は清水美砂、松たか子と並んで好きな女優さんだ。その秋吉久美子が主演している。

この映画も最初の数シーンで違和感を感じてしまった。人間の演技ではなくセリフで人物の説明を始めてしまった。そして主役の大津が神の声を聞いてフランス・リヨンの修道院、パレスチナの「嘆きの壁」などをさまよう。最後はインドのウッタル・プラデーシュ州南部のベナレスが映画の主な舞台になるが、最後までこの海外ロケの必然性を感じなかった。

始めに遠藤の原作ありき。従い遠藤ファンが來場するだろうからある程度の興行収益は見込まれる。
そんな前提で、監督が観念で、カッコいいファッションとしてのキリスト教映画を作ったような気がする。
石原プロと「黒部の太陽」を作った熊井啓監督はどこにもいない。

この映画が最後の映画出演になった三船敏郎の姿は時にかってのミフネを彷彿させたがやはり、病体が痛々しかった。

そしてあのガンジス河に何度も頭まで全身で漬かった秋吉久美子さんご苦労様でした。

巨匠、名匠と言われる監督が俺は名画を作っていると自分に酔いながら作ったと思える映画だった。やはりこんな抽象的な、訴求力のない映画を作っていたから日本映画が没落したんだと思う映画だった。

最後まで引き込まれて面白く見終わる映画では、俳優の演技しか目に入らないが、逆につまらない映画を見ると映画における「監督」の役割の大きさに気がつく。そういう意味でここ6,7年 ステキな監督たちが日本の映画界に参加していて有り難い。

2006年はとうとう年間の洋画のトータル興行収益を邦画の興行収益が越えるらしいが、日本映画の製作サイドに人材がまた集まりだした証拠だと思う。確かに今年見た邦画は自然体で背伸びをしない「面白い映画」が多かった。

映画も小説も絵画も他人の作品の内容を受け止めるのは、しょせん鑑賞する側それぞれが持つ「器の容量」の限りでしかない。

私の持つ容器のサイズが変わる事があったら、熊井監督にゴメンナサイと言う日がくるかも。

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