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日本製少年 (1995)

監督
及川中
  • みたいムービー 7
  • みたログ 21

3.83 / 評価:12件

ツボにはまる人ははまるんだろうな…。

  • kug***** さん
  • 2015年12月15日 2時05分
  • 閲覧数 1068
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

現在、子供の血縁問題で渦中の人である元光GENJIの「大沢樹生」主演のバイオレンス青春映画。ヒロインは元アイドルのAV女優「嶋田加織」。
R指定ですが、指定する必要があったのかと思うくらいおとなしく個人的感想は「悪くはないけど凡作」って気がします。
日本ゆえの派手になりようのなかった「俺たちに明日はない」というか。
本人たちも「なんかつまんない」って言ってるくらいです。それが日本らしくっていい気もしますが。

 大和(大沢)は父親との不仲から殺人未遂を起こし、逮捕される。出所後は浦安の巨大遊園地(いうまでもなくディズニー)で過去を清算するよう懸命に「カストーディアル(ゴミ処理専門スタッフ)」として勤めていたが、バブル崩壊から続く不景気にあっさりとリストラされて職を失い、残り少ない金をテレフォンセックス(なつかしの「Q2」?)につぎ込み「ゴミ処理の大切さ」や「コンクリート殺人事件」「自分をいじめたクラスメートを皆殺しし損ねた」といった嘘の武勇伝を聞かせては気を紛らわせていた。
 仕事の見つからない大和は池袋まで仕事を探しに来て、ティッシュ配りをする風変わりな少女「薫(嶋田)」に興味を持ち、つきまとう。大和を気に入った薫は自分の部屋へと彼を誘う。そこは数人の少女が共同生活をし、合法的なバイトとともに売春やドラッグ販売などの非合法な軽犯罪を行っていた。
 大和の前で服を脱ぎ、体を重ねる薫。彼女の胸には大きな傷跡があった。薫は告白する。自分は重度の不整脈でペースメーカーがないと生きていられない体で、手術以来いつも心臓の鼓動が一定で感動することがなくなってしまったと。
 彼女らを擬似家族として面倒を見て仕事を斡旋している「社長」と呼ばれる男(鈴木一功)から「トルエン売り」を任され、池袋に屯するチーマーたち相手に大和は懸命に売り歩く。薫のペースメーカーの電池交換が近づいているらしいのだ。電池交換には高額な手術費がかかるという。そのための費用を集めるつもりなのだろう。孤独な二人は強く惹かれあっていた。薫は言う「私が死んだら、身体は生ゴミに、ペースメーカーは燃えないゴミに出して」と。
 しかし、客のチーマーたちに騙され、車の中に引き込まれ強盗されそうになる。ルームメイトからもらった拳銃を薫から渡されていた大和は手探りで発砲するが思わぬことにチーマーのひとりを射殺してしまう。
 殺人犯となってしまった大和は薫と一緒に逃亡するが、金も行く当てもない二人は浦安へと向かい、大和の実家の様子を見に行くが両親は居らず、アパートへと帰るとそこには社長がいた。社長は銃を使ったことを咎めて殴り、事務所が二人のせいで打撃を受けたと言う。ひとしきり責めた後、なんとかしてやるから一緒に来いという社長を銃で撃つ大和。撃たれながらもナイフで反撃してくる社長を三発、四発と撃ち、逃げ出す二人。
 浦安の海岸でたたずむ二人。薫はペースメーカーをつけてから初めて胸がドキドキしてると言う。のどが渇いたという彼女のためにジュースを買って来た大和は倒れている薫を発見する。薫の心臓は止まっていた。彼女との約束のとおり、ペースメーカーを抉り出し、燃えないゴミに捨て、身体はくずかごへと放り込んだ。
 独りになった大和は何を思うか、夜の街へと消えてゆく。

 ある種の社会との隔絶を悩む若者には共感できる内容で、光GENJIを脱退し、色々と苦い思いをしている最中であろう大沢の演技なのかリアルなのかわからない枯れた若者像が実にはまっています。対極に「ワタシハサイボーグナノダ」とか言っちゃう不思議ちゃんでありながら、社会との折り合いがつけれない孤独な売春少女という非常に難しい役を絶妙のバランスで演じています。この映画一本限りの映画女優というのは勿体無い。この二人の化学反応はハマる人はハマる強力なカルト映画の魅力に満ちています。
 しかしながら、私はノレませんでした。主演二人のハマりっぷりが圧倒的ながらも、なぜこんなに家庭や社会との折り合いが使いのかという説得力がなく、その背後にあるものが見えてこない。よくわからないけど二人とも家族との折り合いが悪く、生死がかかった状況ですら頼ろうとはしないくらいとしか。社長も犯罪者で悪人ではありますが最後、何発も銃で撃つとか一応の恩人で一方的に迷惑かけてるのに酷すぎ。社長が酷いことしてる描写も一切のないですし。

 どうにも単なる甘えにしか見えないのです。それだからいいという人もいるでしょうけど、バブルの不景気や労働者軽視なんて、この時代は序の口です。それから20年ますます悪くなりながら今日まで続いている現状に翻弄され、それでも真っ当に生き続けてきた同世代としては、あの程度の酷い世界で絶望されてもな…と。
映画が悪いのではなく、現実社会が悪いのでしょうけど、余りに評価が高いので逆に辛めにさせていただきます。

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