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トキワ荘の青春 (1996)

監督
市川準
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  • みたログ 366

3.00 / 評価:150件

廊下の匂い

  • oririn さん
  • 2007年3月1日 23時04分
  • 閲覧数 524
  • 役立ち度 18
    • 総合評価
    • ★★★★★

市川準監督の映画って、寡黙で淡々としている、と取られることが多いが、
他の多くの日本映画やハリウッドの娯楽作と何かが決定的に違う。そこが
私は好きなのだが、うまくそれを言葉にすることが出来ないでいる。言葉に
する必要なんかないのだが、それじゃここにレビュー書けないじゃん。
市川監督の映画って、「通り過ぎる傍景」を捉えることが巧みだ。これを
撮りたいと思って撮っているんだよ、というのがよくある映画だが、
市川監督は「撮ろうという作為」から出来れば自由になりたいと考えて
いるかのようだ。眼に見えている風景ではなく、眼の端をかすめた風景。
眼に見えているものから、離れたところにあるもの。横道に入り込まなくては
眼に留まらないもの。見ようと思う心を忘れた頃に、見ているもの。
・・やっぱりうまく言えない。みんなが「それ」をカメラで追っているときに
市川監督はいつも旅に出ている。
何も考えないで撮りたいときっと思っているんだろう。もしかすると、
撮りたくなんかないのかもしれない、と思わせる。人がいて風景があって
自分がいる。それでいいんじゃないの、と考えているかのようだ。
そんな人が映画を撮ると、よくわからないものが映像になる。空気というか
匂いというか。この「トキワ荘の青春」もなにかが色濃く匂う。
手塚治虫や石ノ森章太郎、赤塚不二夫、寺田ヒロオ。有名な漫画家たちの
若き日々を描いていながら、この映画はあの頃に生きていた、生きようと
していた青年たちを描くことに成功している。
ひたむきであることが、そのままの意味であった時代。今はひたむきさが
誤解され、捻じ曲げられ、おとしめられる。
本木雅弘の好演。他の役者たちはみんな絵に溶けている。本木だけが
フィルムのうえを漂っている。
・・なんて書きながら、あの時代を知らない自分が偉そうに書いて、
申しわけありません。でもそう思ったんだから書いていいよね。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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