解りやすい初期岩井作品
- zen さん
- 2009年12月22日 0時47分
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- 総合評価
この映画、食をテーマとしたTVドラマとして制作されました。そして反響が多かったことから「PicNic」と抱き合わせで1996年に劇場公開されました。
製作の経緯から解るようにこの頃の岩井作品としてはドラマに傾いたつくりになっています。いわく非常に解りやすい、「PiCNiC」と比べて。がこれはこれで味ないい作品に仕上がってるんです。濃すぎず、薄すぎず。ちょっと絵作りとギャップがあるような気もしますが。落ちもちゃんと解りやすい。なおかつしっかりと岩井テイストは盛り込まれていますから、岩井作品の入り口としても最適なんじゃないでしょうか。
出演者も良いです。浅野忠信は前回のから引き続きですが、怪しく無垢なテロリストがぴったりはまってます。かなり若い頃なのでその頃ならではの魅力もあります。そして相手役は芳本美代子。もともとこのプーという役どころは岩井監督がCharaをイメージして作ったといわれていますが、それを差し引けば好演です。このプーという役どころ、うまく演じてたと思います。酒井敏也は・・・あっ!頭がまだ濃い(笑)。普段この人が演じないような役ですがうまくやってます。
部屋の中心に寝転がり、魚たちが見守る中、クラシック音楽を聴く2人。このシーンが岩井俊二なんですよね~。あの部屋のリアル感のまるでない美しさとコントラスト。岩井演出ここにあり!です。全編通して、妙な異世界感があるのも見逃せません。いやぁ、紛れもない岩井作品です。
濃すぎず、薄すぎず。意外と万人にオススメできる岩井作品ではないかと思います。まず、こいつを観て、独特の岩井ワールドが気に入ったら・・・どんどん進みましょうっ。
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