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鉄道員

鉄道員

IL FERROVIERE

115

shinnshinn

5.0

ネタバレ「自転車泥棒」「ウンベルトD」みな暗いよ

いまの若い方は、<お涙頂戴>のモノクロ映画というだけで敬遠するかもしれませんが、こう言う映画を観ると、ちょっと湿気を伴ったジメジメとした家族関係とか、一種家父長制度のような頑固な父親像とか、生活感のある貧乏臭さとか、戦後のイタリア映画はどこか、昭和の日本人の心情にも迫って来るような、親近感が湧いてくる。国民性が類似しているのか、同じようにボコボコにされた敗戦国の共通体験なのか、僕にはよく分からないが、映画の底流にある人間の心の動きのようなものは、非常に理解しやすく、ハリウッド映画なんぞよりは余程、共感出来るのである。戦後のイタリア映画(ネオレアリズモというらしい)は負け戦からの<学び>により、お気楽なおバカ映画など撮っている場合か!とでも言うような生真面目さと、使命感のようなものを感じる(暗いと言えば暗いのだが・笑)。 監督ご自身が、ここまでズッポリと主演を演じた、極めて珍しい映画でもあり、主人公の父親・鉄道員・アンドレアを演じたピエトロ・ジェルミ監督の卓越したお芝居には舌を巻く(顔に生活感があるのが、イタリア映画の特徴)。父親像がリアルで、家族思いだが一徹で、不器用で、貧しくて、飲んだくれで・・・。監督をしながらガッツリと自分の芝居を撮らせているところがスゴイと思う(自分の芝居にどうやってOKを出したんだろう?)。これを観ると、ヒッチコックのカメオ出演などは余興で、ウッディ・アレンやロマン・ポランスキーなんかも、ええ恰好しいの域を出ていないとさえ思える(ぐらい、ピエトロさんが切実なお芝居をします)。 もともと、ヨーロッパ映画は子役の使い方がハリウッドより一枚も二枚も上手なのだが、それにしても末っ子役のサンドロが出色の出来で、素晴らしい(「ニュー・シネマ・パラダイス」(88)のトトと双璧)。この子の視点での撮り方もいいし、狂言回し的な<語り>の使い方も成功していると思う。父親の最後を直接的に撮らない演出にどこか優しさを感じ、泣かせます。本作が銀幕デビューの長女役・シルヴァ・コシナの美しいこと美しいこと(デビューにしてはビックリするぐらいお芝居勘がいいです。クレジットはただのシルヴァ)。日本の俳優は貧乏人と極道の役は巧いというが(その代わりお金持ち役はどこか嘘くさい・笑)、イタリアの俳優も同じなのかしらん?貧乏人とマフィアの役は巧いのか・・・?ギターで奏でる、もの悲しい音楽が秀逸。映画が終わっても心の中にこの曲が流れ続けます。

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