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宮澤賢治 -その愛- (1996)

監督
神山征二郎
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3.62 / 評価:13件

三上博さんの宮沢賢治像

  • bab***** さん
  • 2010年3月30日 20時54分
  • 閲覧数 775
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

全体の流れは、伝記物らしい事の流れを中心に
淡々と時間の経過を時系列で並べた物になってます。

彼の心情描写や彼と周囲の人間関係の描写に深みがあれば
良い作品と評されたかも知れません。
ですが、その部分を描くと言う事は、伝記としては
作者の主観による操作にも似た物を加えてしまうので
「最小限にしたのでは?」と、思っています。

宮沢賢治が思春期を迎える頃から話は始まります。
彼の育った、家とは?
彼の家族、風土など。
そして、彼に影響を与えた物。
宗教、日蓮、小作農家、早くに病で亡くなった妹、金貸し業。
恵まれた自分、貧困の農家、天災による凶作。
愛した人。愛された人。
表現への興味、行動。
それでも、仕事を持つ事。働く事。

当時の彼の育った環境では
日蓮宗も新しい異質な物だったに違いないだろう。
そして、身体も弱く、考え方も周囲とは異質。
そんな、異質な自分との苦悩や行動を
三上博さんは、上手く表現していたと思います。
そして、彼の優し過ぎる程の優しさも。

私の見所となった部分は撮影されている
建築物や家財道具などです。
近年、話題となる映画の様に「昭和懐古」の為に
小物が時代設定よりも古すぎる物や表現で
無理矢理その雰囲気を作っているのではなく
当時の生活様が偽り無く用いられています。
終盤で、賢治が東京の安下宿の一間で生活している部屋も
誇張せず。
それ故に病の賢治を連れ戻す為に
上京した父親と2人で話をするシーンは、親父の威厳とその様子
部屋の神聖ささえ漂っていると思いました。

全体のストーリーや映像も
宮沢賢治そのものだったのかも知れません。
ただただ、淡々と。
欲張る事無く、頑張り過ぎず、良心的で
でも、何かを伝えたいと。

「雨にも負けず」の朗読とともにエンディングを迎えるのだが
その雰囲気に終始仕上げたのかもしれないと。
今、そう感じています。


雨にも負けず

風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けぬ

丈夫なからだをもち

慾はなく

決して怒らず

いつも静かに笑っている

一日に玄米四合と

味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを

自分を勘定に入れずに

よく見聞きし分かり

そして忘れず

野原の松の林の陰の

小さな萱ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば

行ってこわがらなくてもいいといい

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろといい

日照りの時は涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

みんなにでくのぼーと呼ばれ

褒められもせず

苦にもされず

そういうものに

わたしは

なりたい

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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