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必殺始末人

nan********

1.0

ネタバレわざとらしい演出にすべてを悟るべき作品

制作体制が瓦解を迎えた「必殺!主水死す」とも訣別し翌年サテライトシアターとしてレイトショーされた”新生”必殺シリーズ。 シリーズ化を前提としていたため、この映画はいわゆる結成編としての内容。 最大の問題点はこれまで支持を獲得した「弱者への共感、理不尽への怒りそして報酬による殺し」という必殺の不文律が悉く破壊されている脚本だろう。 偽りの処刑というトリックは「必殺仕置人」の第1話、「この世に無き者が実行者」となる筋書は「ザ・ハングマン(初代)」「闇を斬れ」辺りがネタなんだろうが、本当にネタレベルなのだから失笑を禁じ得ない。外道な元締に反旗を翻す劇的なクライマックスも軽いもので、折角だから観ておきましょう?という物見遊山的な楽しみ以外に得られるものがない(特撮ヒーローものの御大が必殺の脚本を書くのが土俵違いだったのは明白だ)。 新たな主人公・山村只次郎の存在感が薄い件については中の人・田原俊彦のメンタルがあまりにもゴミだった背景も無視できない(撮影所から4回も脱走を目論み、1回は成功している。初っ端から土砂降りの斬首とか溝川の乱闘があるのだが、明らかに嫌な顔であったw)。だから三番手の過去エピソードを盛るという暴挙が鼻に付く。ナンノのわざとらしい演技力といい、このお粗末な始末人チームの”殺し感”って何なんだろうか、と。 「2時間ドラマよりも低予算のVシネマでは始めから完成度の高い作品は望めない。だから僕は始末人には参加せんかったです。」(山内久司さん談) Vシネとなったのは続編以降だが、本作も大概リスクを考慮した低予算制作なのは内容からもありありと見て取れ、例によって石原監督(一応映画としてはデビュー作)大暴れだったのでとても庶民の愛すべき必殺としては恥晒しであり、誰も話題にすらしないのは安堵して良いのかどうなのか(東山紀之よりは殺陣は安定していた、まあジャニ殺とはみかん箱程度の違いといえば分かりが早い)。

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