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萌の朱雀 (1997)

監督
河瀬直美
  • みたいムービー 62
  • みたログ 414

3.09 / 評価:119件

私映画

  • ringo bombs さん
  • 2008年2月7日 23時09分
  • 閲覧数 237
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

私映画というものがあるとすれば、
こういう映画のことを言うのであろう。
河瀬監督は、生まれる前に両親が離婚して、
親に捨てられた事でトラウマになった心の中にある空虚さや
損失感を映画を作ることによって満たしたいと言う。
観客は、彼女のアイデンティティーが投影された
主人公たちと対峙するわけだが、
奈良県西吉野村の美しい自然とそこに住む生命感溢れる人々とは
対照的に、死人のような主人公一家に違和感を覚えるに違いない。
彼女はそんな違和感を承知の上で、
自分自身の本質を嘘偽りなくぶつけて観客と対話を試みるのだが、
いきなり彼女の心の闇を見せ付けられても、
映画にエンターティメントを求める常識的な観客は戸惑うだけで、
登場人物たちに感情移入することはできないのではないか。
観客に対話を求めるなら、映画を作るのに村人とコミュニケーションを欠かさなかったように、観客に対しても、
それなりの礼儀というものが必要ではないのかと思った。
作り手側のスタッフやキャストも、
彼女の頭の中にある言葉に置き換えることの出来ないイメージを
切り取ってつなぎ合わす作業に、戸惑ったのではないだろうか。
殆どのシーンで表情だけの演技を強いられた素人の役者たちの
立居振舞のぎこちなさが、何よりの証左だ。
しかし、彼女独自のスタイルが、
また映画のひとつの魅力であることは否定できない。
最新作で、長谷川京子を主役にラブコメディを作るそうだが、
期待感を抱いてしまうのは、この監督に新しい可能性を
感じているからだろう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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