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愛を乞うひと (1998)

監督
平山秀幸
  • みたいムービー 199
  • みたログ 689

4.03 / 評価:350件

大好きだからこそ虐待する心理

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2018年3月4日 2時32分
  • 閲覧数 1924
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 すっごい重い映画で、最後まで一気に見れませんでした。
 途中で耐えられなくなって、見るのやめて、でも「これってもちろん、こういう結末に行く、って話だよな?」と気になって、また見始めて、結末まで行って、思ったとおりの結末なんだけど、納得できたとか、感動したとか、幸せな気持ちになったとか、いうことは全然ないんですよ、でも、望みうる最善の結末になったということはわかる、っていいましょうか。

 ややこしい書き方ですみません。でも、この、とんでもなくややこしい後味を残すところが、この映画のいいところで、☆5つつける気になった理由なんです。
 こういう大事な問題を、じっくりと考えさせてくれたところが、です。

 人間には、血を分けた肉親だからこそ、その人のことが心の底から大好きだからこそ、とことん虐待せずにいられなくなる、という心理が、あるんですね。
 そういう人っていうのは、自分のことが好きになれない、とても不幸な人なんだと思います。自分のことが好きになれないから、自分が大好きな人が、大好きだからこそ、幸せになるのが許せない。孤児院からわざわざ引き取ってくるぐらい大好きな子が、でも徹底的に不幸でいてくれないと、その子が好きでいられない。

 もちろん、そんな考え方は間違っています。私だったら、そんな考え方をする人を、絶対に許せません。
 でも照恵は、母の豊子のことを、……許してはいない(17歳の時に死んだのよ)、最後まで許しはしないんだけど……でも責めないことにした。
 だって、ものすごくゆがんだ形でではあるけれど、母はじつは自分のことが大好きだったのだということが、わかるから。わかってしまうから。

 すごいな。私だったら絶対こうはなれないな。でも、こんな人間であれたら、すごいな。
 そう思いながら見ました。

 照恵と豊子を原田美枝子さんの同一人物に演じさせ、しかも照恵の幼年時代と今とを頻繁に往復することで、この2人の人物が観客の中で重なり合うようにわざわざ演出したのは、この物語の意味をしっかりとわかった人の演出だな、と思いました。

詳細評価

物語
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