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天国の門 (1981)

HEAVEN'S GATE

監督
マイケル・チミノ
  • みたいムービー 45
  • みたログ 300

3.62 / 評価:104件

限りなく★2に近い★3。凡作です。

  • bar***** さん
  • 2019年1月26日 12時29分
  • 閲覧数 230
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

天国の門。

Wikiを見ると、いったいどういう映画だか分かりますので、気になった方はまずそちらを見ていただくとして……。

個人的には、非常に退屈な映画だと思いました。

まずですね、何の意図もないようなシーンが多すぎますね。物語全体としては悪くないですよ。ただ叙事的に描こうとし過ぎていて、表現においてあまり重要でないシーンに多くの時間を割いている(つまりバランスが非常に悪い)のが問題でして……。

デヴィッド・リーンを意識している? なんかそういう感じを受けました。大河ドラマ風ですね。リーン好きにはいいかも? ただリーンも私は決して優れた作家ではないと思いますし……イギリス・アメリカらしい、壮大な叙事詩風好みと、構造感覚の欠如(ディケンズに代表される)が、これでもかと出ちゃってます。

ただ物語を垂れ流しているというか……普通は主題といったもので引きしめるのですが、この映画はとにかく叙事詩的にしたいと思ったのか、主題の力を弱めて、細部をこれでもかと(不必要に)綿密に描いています。そんなところは誰も見たくないのにです。

いい比較対象だと思ったので、ここで『風と共に去りぬ』を挙げておきます。あれも大河作品ですが、主題の力が非常に強く、全編がシャキッとしています。スカーレットという特別なキャラクターを中心に据えて、その上で場面場面を丁寧に意味づけしていき、視聴者にも今が何のシーンなのか分かりやすいようにしています。スカーレットがどう感じ、どう悩み、どう問題に立ち向かうのか、というのが主題になっているからです。

しかしこの作品は、登場人物がどういった存在なのか、序盤から明らかではありません。というより、そもそもエイブリルとアーヴァインのキャラクターが月並みでスカーレットのような存在感がなく、台詞も平凡です。俯瞰的に見るための主題的意味付けも存在しません。ですから場面場面が、意味を失してしまうのです。意味がないことも非常に大きな欠点ですが、この映画は致命的なことに、視聴者に早々にそのことがバレてしまうようなお粗末さがあるということです。

「ああ、この映画のワンシーンには自分が願っているほど重要な意味がないんだな」と序盤で思わせてしまう。そうすると絶対に真剣に見てくれなくなります。

絵画展や写真展によく行く人なら魅力が分かるというコメントがあったので、それをまじえて美術的な点からこの映画を評していくと……

私が端的に申せば、これよりも美しいシーンがある映画なら山ほどあるということです。黒澤、タルコフスキー、小津、エイゼンシュテイン、宮崎駿に代表されるジブリ映画や、ゲルマン、メルヴィルや、ヴィスコンティ、フェリーニ、タチ……少し考えただけでいっぱい出てきます。ちなみに私も絵画展や写真展にはよく行きます。

仮にこの映画が美術的に優れていたとして……それでも他の主題表現と結びついていない限りは、駄作として間違いないと思います。この映画よりもずっと優れた美術的センスを持つタルコフスキーやエイゼンシュテインが、ただ美術的表現のみで主題を遠くに離したまま映画を作ったことがあったでしょうか? 見たことがありません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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