ドイツ零年

GERMANIA ANNO ZERO/GERMANY YEAR ZERO

75
ドイツ零年
4.0

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(12件)


  • sou********

    4.0

    戦後混乱のドイツを描く。祖父母の時代を想わずにいられない。

    生きる為にする事。それが罪であっても。 戦後の混乱の時代。弱い存在の少年や若い娘の兄妹が、病弱の父と戦争犯罪への制裁を恐れて隠れて生きる兄の為に献身的に動き回る。 兄は存在を隠している為に、家族は3人分の配給で4人で生きている。 父は兄に対し、軍の命令に従っただけの末端兵士なので問題ない筈と諭すが、家に隠れ続ける状態。 そのせいで少年と娘は、倫理的に問題のある手段を使ってでも家族を生かす為の行動をする。 国は違えど、日本もそんな時代があっただろう事は容易に想像がつく。 生きる事に特化せねばならない。そんな混乱だった筈。 その頃の祖父母は、物語の兄世代か少し上の世代か。 祖父母の苦労を想像すれば、感謝の心と居た堪れない気持ちが交錯する。 また、今も紛争や戦争がある地域は地球上にあるわけで、似たような状況が現在進行形の家族も存在するだろう。 鑑賞の最中、色んな国の混乱を想像してしまう。 まだ、学校で学ぶべき年齢の少年が重ねる非倫理的行動は、悲劇的な出来事まで発展する。 ネオレアリズモに於いては、観ていてダメージが大きい事が多い。 尚且つ、この映画は指折りキツい話だと思う。 少年の2つの重大な選択があるが…あれは言葉にならない。

  • hsa********

    5.0

    行動の美学

    映画史的に極めて重要な作品。 理由はいくつかあるのだが、まずこの作品を特徴付けているのは、ドキュメントタッチではなく、様式美だ。多くの人がここで引っ掛かっていると思うのだが、ロッセリーニの凄さはまずここにある。 通常、ドキュメント的な作品は様式美をもたない。一見ドキュメントタッチに見えて、実は様式美を備えていることに、トリュフォーは気づいて、きっと驚いて興奮したに違いない。 次にこの作品を特徴付けているのは、よく動くカメラだ。移動、パンとよく動く。同時に特に主人公の少年の行動を追う。 この映画は主人公の行動、努力の軌跡の映画だ。少年は見る人ではなく、行動する人だ。少年が見る人になるのは、自殺を決意する時だ。少年が行動する人を止める時、少年は死ななくてはならない。ほぼ、即物的といってよい演出が施されている。人間を即物的に描くことこそ、ロッセリーニの野心だ。職業俳優を使う事や、余計な感情を排するのもそのためだ。様々な誤解を生むことになるこうした手法は映画の客観性を担保するためなのだが、時代と大逆行して、呪われた作家の仲間入りをしてしまった。時代はいまだに、ロッセリーニに追い付いていない。主人公の少年が死を前にして、ためらっているようないないような描写に心をうたれる。この少年の死は、我々の死なのだ。敗戦後間もないドイツに乗り込むだけで、勇気がいることなのに、大きな映画的野心も実現してしまったことに、本当に驚いたのはゴダールだけかもしれない。

  • kyo********

    5.0

    心が痛いくらい切ない

    敗戦2年後のドイツ。廃墟の中、必死に生きるエドムント(エドムント・メシュケ)だが、家族は大人なのに、父は病気、姉も兄もあてにはならない。イタリアのロベルト・ロッセリーニ監督。1948年製作。 こちらもスクリーンにて鑑賞。 主人公の少年エドムントが切ない。戦争直後の混乱期にいろいろな目に合うがたくましく生きてきたのに。出てくる大人がろくなもんじゃない人ばかり。こんなに健気なエドムントなのに。父にするあることもいたたまれない。 最後は想像はしていたけれど...切ない(ノд-。)

  • e_s********

    4.0

    これが戦争の代償

    ドイツ版『ほたるの墓』を見ているようで、いたたまれなかった。  終戦間もないドイツ… 敗戦国のリアルな日常は、当然、日本と似ている。 まだ瓦礫がそのままのドイツで撮影されていて、生々しい傷跡… 病弱な父、戦犯として殺されるのでは?と、隠れている兄、当然、働かない… 家計を支えるのは、姉と12才のエドモンド。 ありとあらゆることをして、必死に生き抜こうとするも… 大人たちに翻弄されるエドモンド… あんなことをやってしまったのは、紛れもなく、大人のせい… そして、エドモンドは… 敗戦国に生きる、罪なき子供… あまりにも残酷なラストシーンは、茫然とするしかなかった… 悲しすぎて、逆に泣けない… 戦争は子供にも、こんな惨い仕打ちをする…

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ敗戦直後のドイツは日本と似て非!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • どーもキューブ

    5.0

    貧すれば傷つけるゼロ

    1948年作、ロベルトロッセリーニ脚本(他二名)監督。イタリアンネオリアリズム三部作のラスト。本作の凄さは、ゴダールが「カラビニエ」でロッセリーニを招き入れ、「新ドイツ零年」という新作を作り、フランスワトリュフォーは、「大人はわかってくれない」で大影響を受けました。(見たら納得、作品質の似通い方)ラスト付近の台詞の無い時間軸はまさしく「大人はわかってくれない」のジャンピエールレオのようです。戦後瓦礫山の廃墟漂う都市のある家族のドラマ。逼迫した大家族の可愛いある少年のお話し。貧すれば傷つける「ゼロ」の気持ち。マイナスな罵り、ボヤキ。すべてを「無し」にする貧困とお金と物資。なんか少し現代のこの日本にも身につまされるようなマイナスゼロ思考。ラスト付近の心象風景はとても素晴らしすぎました。ピュアな心を潰す戦火の黒い闇と足場の悪そうな廃墟。いやーロベルトロッセリーニはじめ軽んじていたんですが、とっても偉大な三部作を作っていた事に恐縮する鑑賞体験でした。本作にはフェリーニはいません。皆様もイタリアの熱い情熱が詰まったロベルトロッセリーニ戦争三部作!冷たい気持ちになりたい時に是非どうぞ!(どんな時だよっ)あらためてノーウォー、インクリースザピースな気持ちになったロッセリーニ体験でした!

  • 一人旅

    3.0

    大戦終結直後のドイツ国民の現実

    ロベルト・ロッセリーニ監督作。二次大戦直後のベルリンが舞台。そこに暮らす少年エドモンドとその家族(父、姉、兄)は貧しい暮らしを強いられている。病気の父と働かない兄がいるためだ。エドモンドは家族を養うため、幼いながらも物を売りに行ったり、恩師の提案で連合国兵士にヒトラーの演説を聞かせる仕事をこなしていく・・・。ネオレアリズモらしい終始暗い雰囲気に包まれ、なかなか画面から希望を見出すことが出来ない。敗戦国の厳しい現実と庶民の暮らし、そして未だ尾を引くナチス思想を考えると絶望感しか感じられない。戦争が終結したからといって、全てが元通りには決してならないのだと思う。

  • kak********

    4.0

    ロベルト・ロッセリーニ戦争三部作完結編!

    1947年に戦後のドイツで撮影されたというだけで 貴重な映像と言える。 歴史で学ぶ戦争は、日独伊の三国同盟が連合軍 に敗れ、日本も敗戦国として戦後再出発した 事実である。 日本の惨状は機会があれば古いニュースの映像 などで見る事も出来るが、ドイツの惨状は意外と 知る機会がなかった。 本作品は、エドムント少年の目を通して、東西 分割前のベルリンの様子を生々しく映している 点で、ドキュメンタリー映画と言われても違和感 はない出来である。 例によって、ほとんどの出演者が素人という演出 手法も、現場での撮影であるから演技の必要がない といっても良い状況だったに違いない。 戦争三部作は、第一作の「無防備都市」、第二作の 「戦火のかなた」、そして本作品を加えたものだが、 それぞれ、人間中心のドラマであり、戦争によって 生じた様々な出来事が淡々と語られる。 そこには、勝者も敗者もなく、戦争批判のメッセージ さえ見当たらない。ただただ、結果のみ綴られている。 戦争三部作を観た人は、戦争がもたらす悲劇を体感 する事が出来る。世界中の出来るだけ多くの人々に 観てもらい、戦争のない平和な世界が訪れた時こそ、 ロベルト・ロッセリーニ監督の偉業が達成される時 に違いない。

  • dep********

    3.0

    ネタバレ淡々と現実を見せる感じ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • let********

    5.0

    ネタバレ不朽の作品

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ter********

    5.0

    視点をずらす、ということ。

    これほどわかりやすい映画はあるのだろうか。 視点をずらす、という魔力をストレートに映し出す幻想、あるいは映画の能力を最大限に引き出す魔法、ともいうべき古典的作品ではないだろうか。表象の可能性を抜群に引き出す素晴らしい作品。度肝抜かれました。 一貫して見受けられるは、子どもと戦争、そして大人への怒り。ギュンターグラスのブリキの太鼓のようなオマージュはそこにはなく、徹底して「わかりやすく」描く戦争への憎悪。凄い、の一言に尽きる。 戦争を映画で表象する、という現代ではありきたりに見える手法を用いながらも、一貫して―そしてなかば強引に―こどもに視点をあわして戦争の悲喜劇性を演出する本作品の魔法は、当時はもとより現代の鑑賞者にも大きな衝撃を与えよう。 未熟な子どもの未熟な「ためらい」をお洒落に映すラストの廃墟のシーンは爆発的な映像です。

  • ********

    4.0

    子供映画の王道

    ネオ・リアリズムの監督ロッセリーニの代表作のひとつ。敗戦後ドイツの廃墟とレンガの山、戦争の傷跡と生活、そして子供たちの生きる道。社会の中で思うようにいかない子供の行く末を描く、悲しい話。 でも、まったく悲しそうではない子供の表情がとってもリアル。ズームにならない、主観的な視線のショットがないカメラの構図が、ありきたりなお涙頂戴映画を抜け出ていて、余計に悲しくなる。

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