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ドイツ零年 (1948)

GERMANIA ANNO ZERO/GERMANY YEAR ZERO

監督
ロベルト・ロッセリーニ
  • みたいムービー 12
  • みたログ 98

4.10 / 評価:29件

行動の美学

  • hsa******** さん
  • 2019年5月18日 15時10分
  • 閲覧数 345
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

映画史的に極めて重要な作品。
理由はいくつかあるのだが、まずこの作品を特徴付けているのは、ドキュメントタッチではなく、様式美だ。多くの人がここで引っ掛かっていると思うのだが、ロッセリーニの凄さはまずここにある。
通常、ドキュメント的な作品は様式美をもたない。一見ドキュメントタッチに見えて、実は様式美を備えていることに、トリュフォーは気づいて、きっと驚いて興奮したに違いない。
次にこの作品を特徴付けているのは、よく動くカメラだ。移動、パンとよく動く。同時に特に主人公の少年の行動を追う。
この映画は主人公の行動、努力の軌跡の映画だ。少年は見る人ではなく、行動する人だ。少年が見る人になるのは、自殺を決意する時だ。少年が行動する人を止める時、少年は死ななくてはならない。ほぼ、即物的といってよい演出が施されている。人間を即物的に描くことこそ、ロッセリーニの野心だ。職業俳優を使う事や、余計な感情を排するのもそのためだ。様々な誤解を生むことになるこうした手法は映画の客観性を担保するためなのだが、時代と大逆行して、呪われた作家の仲間入りをしてしまった。時代はいまだに、ロッセリーニに追い付いていない。主人公の少年が死を前にして、ためらっているようないないような描写に心をうたれる。この少年の死は、我々の死なのだ。敗戦後間もないドイツに乗り込むだけで、勇気がいることなのに、大きな映画的野心も実現してしまったことに、本当に驚いたのはゴダールだけかもしれない。

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