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盗賊王子 (1951)

THE PRINCE WHO WAS A THIEF

監督
ルドルフ・マテ
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3.00 / 評価:3件

若さが最大の魅力

  • rup***** さん
  • 2018年5月6日 22時54分
  • 閲覧数 255
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ユニヴァーサル(当時はユニヴァーサル・インターナショナル)社の若手で、それまで端役や傍役で出演していたトニー・カーティスとパイパー・ローリーが第一線のスターとして初めて共演した作品。

ユニヴァーサル映画のお家芸のジャンルの1つとして”アラビアン・ナイトもの”と呼ばれる作品群があって、もともとは、1942年にジョン・ホールとマリア・モンテスの主演で製作された「アラビアン・ナイト」がヒットを飛ばしたことから、2人のコンビでその後「アリババと四十人の盗賊」「Cobra Woman」などの異国情緒あふれる類似の作品が次々と作られることになったのですが、本作は、50年代に入って再び同ジャンルで新たな若手スターコンビの売り出しを狙って製作されたものです。

戦時中の”アラビアン・ナイトもの”は、悪臣に王位を簒奪された正統な王位継承者が最終的にその地位を奪い返すまでの物語といったものが多く、ファシズムから自由な世界を取り戻すレジスタンス活動とも結びつくようなストーリーをエキゾチックな世界に仮託して描いていて、単なる逃避(エスケープ)映画以上のものがあったとも言われています。
ただ、セットや衣装がハリウッド製丸出しですし、リアリズムを重視する今どきの映画とは対極にあるものなので、現代の感覚で観てしまうと、陳腐で馬鹿馬鹿しい映画として一蹴されてしまうかもしれません。

本作は、戦後に作られたものなので、戦時中の作品にあったイデオロギー的なものは薄まって、より娯楽に徹した作品になっていて気楽に観られます。

トニーが演じる主人公も、王子でありながら、幼少の頃、奸臣が雇った盗賊により殺されそうになるところを、盗賊が幼子を殺すのに忍びなくなって連れ帰り、その盗賊夫婦に育てられて大きくなったという設定ですが、奪われた王位を取り戻すという話は終盤に取ってつけたようにあるだけで、アルジェの王族に伝わる大真珠をめぐって繰り広げられる争奪戦がメインの物語として描かれています。

トニーは主人公の王子を若さ溢れる元気溌剌とした演技で快演。
さらに、相手役のパイパーは狭いところを通り抜けられる柔軟な体の持ち主の女盗賊という役どころで、彼女も弾けんばかりの活発な演技をみせていて、ストーリーや演出というより、2人の若さがこの映画を楽しく見せていると言ってもいいのではないかと思います。
もっとも、パイパーは、こういう紋切り型の役柄を演じ続けることに不満で、アクターズ・スタジオで学んだのち「ハスラー」で演技派に転身するのですが、本作のような初期の活き活きとした若手スターらしい演技も十分に観ごたえがありますし、明るさに満ちていているのが何よりの魅力。

また、王子が惹かれるヤスミン姫を演じるペギー・キャッスルは気の強そうな雰囲気がよく出ていて、マリア・モンテスみたいなアラビア風の踊りを披露してくれるのも嬉しいところ。

監督のルドルフ・マテは、名カメラマンとしてドライエル、ワイラー、ヒッチコック、ルビッチなど数々の名匠の作品を手掛け、監督に昇格してからは娯楽作品が中心ですが、初期の「都会の牙」はフィルム・ノワールの傑作として高く評価されています。
本作の前年に手掛けた「武装市街」は、「サンセット大通り」で共演したウィリアム・ホールデンとナンシー・オルソンの若手コンビ(ホールデンは、戦前に華々しくスクリーンデビューをしていますが、従軍したため、復員後に俳優としてのキャリアをやり直した苦労人)を売り出すための作品になっていて、そこで好評を得たのに続き、本作でもトニーとパイパーの売り出しにしっかりと貢献しています。

<本作は、スワッシュバックラー(剣戟)映画を集めた廉価版DVD-BOXに収録されているソフトで鑑賞しました>

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