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東風

東風

LE VENT D'EST/VENTO DELL'EST/WIND FROM THE EAST

100

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5.0

革命についての革命的映画の試み

1969年。ジガ・ヴェルトフ集団。革命的な映画とそれを製作する集団の様子を描きつつ、政治的な革命を遂行する理論と実践、それを妨げる修正主義という敵についての言説からなる映画。五月革命直後の政治状況を受けてつくられた、革命について、革命的につくることを目指した映画。強烈です。 革命を目指す限り、歴史を踏まえなければいけないので、自由と民主主義を求めてきた政治的な歴史と、映画が描いてきた物語の歴史が描かれている。映画はグリフィスだろうがエイゼンシュタインだろうが、結局は同じことをやってきたのではないか。それは修正主義的に、現実を糊塗する(メイキャップ)ことに貢献してきたのではないか、という独りよがりな断定。ここでその政治姿勢を真剣に受け取ると面白みがなくなってしまうので、啖呵として切れ味の爽快さを味わいましょう。映画なのですから。 それで革命的映画をつくろうというわけですが、この映画がその革命的映画たりえているかどうかは疑問です。一つ言えるのは急進的左翼主義の危険が前面に出ていること。その後、周囲に修正主義のレッテルを貼っていくうちに自ら追い詰められてテロルに走る、という方向に行かなかったことだけは、JLGの軌跡が証明していますけれども。

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