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遠い夜明け

遠い夜明け

CRY FREEDOM

158

kak********

4.0

『アパルトヘイト』に立ち向かった男の友情

『アパルトヘイト』という言葉は、平和な日本から見ると自分たちとかけ離れた遠い所の出来事のようで印象が薄いのが実情だろう。『人種差別』という問題にしても単一民族色の強い日本では、アメリカのような根深さは見られない。本作品は南アにおける人種隔離政策を扱った映画で実話に基づいている。 原作は、本作品の主人公でデイリー・ディスパッチ紙の白人記者ドナルド・ウッズの二つの著書「ビーコウ アパルトヘイトとの限りなき戦い」と「トラブルを求めて」を基に「遠すぎた橋」を手掛けたリチャード・アッテンボローが監督を務めた。その想像を絶する世界はまるでドキュメンタリーのように核心に迫る。 主演の白人記者役は「デーヴ」で大統領とその影武者二役を熱演したケヴィン・クライン。そして友人であり黒人解放活動家のスティーヴ・ビコ役は「グローリー」でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演男優賞W受賞のデンゼル・ワシントン。ほぼ二人が中心の映画である。 二人の交流は「ビーコウ アパルトヘイトとの限りなき戦い」に詳しく書かれているが、黒人は白人より劣るという概念を打破したいというシンプルな思想に共感した二人が成した功績は余りにも大きい。日本では『アパルトヘイト』が撤廃され新大統領になったネルソン・マンデラが有名だが、二人も同等と言える。 波瀾万丈の人生に感動するか?南アの歴史の勉強になるか?友情の尊さに心が洗われるか?は、それぞれの受け止め方によるかもしれない。しかし、大事を成し遂げる為の第一歩は、一人一人の勇気ある行動から始まる事は間違いない。いろいろ考えさせられる映画である。

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